2001年7月、九大学内ボランティアによる伊都キャンパスでの環境保全活動が行われました。
前述のように、不登校気味で九大における存在意義を見いだせず、一方で、山村塾で里山保全活動を行っていた私は、喜び勇んで応募しました。「ここなら活躍できる」と。
そして当日。とにかく、その日は暑かった。炎天下、滝のような汗を流しながら、倒されたモウソウチクを運びやすい長さに切り、竹林からの搬出を休みなく続けました。
病人、ケガ人がでてもおかしくないほどでした。
そのときに思ったのが「もっと楽しくて、安全に行える環境保全ボランティア活動でなければ長続きしない」「その力が九大で一番あるのは自分かも」。
後日、調べてわかりましたが、九大伊都キャンパス移転における生物多様性保全事業は、「高木移植」「林床移植」「根株移植」「湿地保全」等、世界最高レベルの水準。
しかし、これらがハードの問題であるとすれば、ソフトの問題はほとんど手つかずのまま。つまり、これらの事業によって保全された伊都キャンパスの生物多様性や森林資源を、誰がどのようにして維持・管理するかという問題です。
その日、理学部の矢原徹一先生に出会い、その問題意識をぶつけました。そして後日、矢原先生が担当する、少人数ゼミナールに参加することなりました。
自分の考えを伝え、少人数ゼミに参加している学生有志を集めて、九大の学生研究助成金制度(C&C)に応募しました。「学生ボランティアによって、新キャンパス環境保全活動を実践しよう、そして、その活動を持続的に行うための組織を創りあげよう」という趣旨です。
幸運にも、助成金の採用が決まり、学生ボランティアによる伊都キャンパス環境保全活動が、実現への1歩を踏み出しました。2002年6月のことです。
1年目の活動は、竹の伐採を中心に、ワークショップ、勉強会、子どもたちを対象とした竹馬作り教室、そしてシンポジウムを行いました。作業にあたっては、山村塾の小森耕太君を講師に招き、安全管理や技術指導を行ってもらいました。九大の『マスタープラン』にも書かれているけれど全く実現されていなかった「ネイチャートレイル」を作成。
こうした取り組みは大いに評価され、『総長賞』を頂きました。そして、この後、NPO法人環境創造舎の創立、九州大吟醸の開発、食育活動の展開と、取り組みが広がっていきました。
「人生は出会い」という点で、ここで特記しておくなら、矢原徹一先生との出会いでしょう。矢原先生は、世界的生物(植物)学者であり、理論と実践のバランスに優れていて、世界的論文も書けるし一般書も書けるし、新しいことに挑戦し続け、しかもユーモアがあって面白い。寛容で、こんな私でも受け止めてくれました。これまでの人生で出会ってきた大学教員の中で、唯一、尊敬できる先生です。
あまり後悔することのない私ですが、矢原先生が新しいプロジェクトをスタートするとき、エントリーしておけばよかったと思うことはあります。それほど、側にいて学びを請いたい先生です。
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