食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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「できるようになる」学力論

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にむけ、猛勉強しています。
本を読みまくっています。

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この間、すごく勉強になったこと。

 

フィンランドPISA調査で学力世界一ですが
教育から「競争」を撤廃しました。

具体的には、
1985年に「習熟度別学習(編成授業)」を廃止し、「異質生徒集団」方式を採用しました。

習熟度別学習とは
簡単に言えば、
「できる子」「できない子」を分けて
それに応じて、授業をする方法です。

一見、効率的に見えます。

しかし、イギリスでは
1988年に競争原理を導入した教育改革が行われましたが
国全体の学力レベルは向上しなかったそうです。

教育に競争原理を導入した結果は
「格差」しか生じなかったそうです。

フィンランドの教育の目標は
「一人の落ちこぼれも出さず、国民全体の教育水準を引き上げること」
です。

一握りのエリートが企業、経済、国を動かす時代は終わりました。
21世紀の教育の大きなテーマは「平等性」です。

皆が等しく学力を身につけることが重要なのです。

 

では、その学力とは何なのかが問われますが
それはまた別の機会に。

 

フィンランドでは
「個」を大切にする平等な教育が行われています。
個性、多様性が尊重されています。
一人一人の発達を支援し、
誰もがいつでも学べる学校教育制度が整えられています。

 

で。

 

日本で
「個性、多様性を尊重する教育」
というと
「できなくてもいい」
「できないのも個性」
「できないのを認めるのが多様性」
みたいなコトをいう人がいますが
学力世界一の
フィンランドの教育哲学、経験からすれば
その考え方は間違いです。

 

前述のように、フィンランドでは
「一人の落ちこぼれも出さず、国民全体の教育水準を引き上げること」
を目標にし、制度設計され、教育が行われています。

 

例えば、具体的には

  • 異質集団教育で、1クラス25人が基本。
  • 授業は完全な個別指導。それぞれに応じた課題に各自取り組みます。
  • グループ学習も積極的に行われます。
  •  「調査と評価」は学校改善を支援するためのツールとして用いられます。
  • さらに 評価は自己評価を重視しています。
  • 遅れがある子どもにはすぐに補充学習が行わます。
  • 「修得主義」なので、留年があります。(日本は「履修主義」)

言い方を変えれば、平等教育とは、
「等しくすべての子どもが理解すること」なのです。
留年してでも
子どもは基礎学力を身につけることが重要なのです。

 

ただし、
身につける基礎学力のレベルは「標準」ではなく
「達成される成績のミニマム」です。

 

最低限ここまではできるようになろうという
基礎学力があり、土台を公平に確保し、
その先に多様な学びが保障されているのです。

 

「できるようになる」が重要なのです。
「できなくてもいい」ではありません。
「できない」言い訳として、
「個性」とか「多様性」なんて言ってはいけません。