食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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落ち込むことのないゴーシ先生が3分ほど死んだ事件

「ゴーシ先生は落ち込んだとき、どうするんですか?」
と聞かれて
「そもそも、落ち込みません」
と答える人なんだけど
今日は、3分ほど
落ち込むどころか、死にました。

 

日本の農業制度に
「(多面的機能とか中山間地域とか)
 直接支払制度」
という補助金制度があって
ゴーシ先生はその
福岡県の評価委員を7、8年やっています。
しかも、副委員長です。

 

かつ、地元、大入区の農業団体の事務局も
任されています。

 

いわば、
一番上と
一番下を
両方やっているわけです。

 

これ、たぶん日本でゴーシ先生だけじゃない?

 

ですから
現場の大変さが分かる。

 

ですから
評価委員会では
現場の事務手続きの大変さを紹介し
事務手続きの簡略化、合理化を
ずっと主張、提案してきたし
福岡県もそれに従って努力してきたと思います。

 

さて、4月です。
4月は、今年度の直接支払い補助金
をもらうために
昨年度の活動や経理の報告書を提出しなければなりません。
報告書だけでなく、
活動記録の写真、領収書、通帳のコピー
総会資料、役員名簿、役員承諾書、、等々。

 

まぁ、すごくタイヘンなのです。

 

PCを使えない農家の高齢者は
絶対に作成できないレベル。

 

だから、私に仕事が回ってくるのですが
私が、領収書等々を受け取って
さぁ、書類作成しよう
というときは
書類の提出期限、過ぎてるという。。。
でも、農村の現場って
そんな感じ。

 

それでも、ない時間を使って
書類を作成し
市役所まで車を飛ばして、提出。

 

そうすると
数日後に、修正依頼が届くのです。

 

この修正内容が本当にくだらない。

 

 

経理上の数字が間違っているなら
問題ですが
単なる文言なのです。

 

一瞬、
「こんなくだらないこと
 絶対にしない」
とPCを閉じましたが
地域の農家さんに迷惑がかかると
耐え忍んで
修正作業。

 

それをメールで市役所に送信しました。
そのときに、こんな文書を添えました。

県の直接支払い検討委員会の
副会長として言わせていただきます。

市行政(市の担当者)の役割は
地元の地域資源管理活動が
円滑に持続的に行われることを
サポートすることが第一義であって
提出書類の粗探しをし
地元に負担をかけることではありません。

また、昨年は問題とされなかった文言が
担当者が変わると
修正を求められるというのは
本当におかしいです。

書類に虚偽があるのであればともかく
実際に、水路掃除や農道管理を行っているのですから
書き方、文言で
県からお金がおりてこない
ということもないはずです。

直接支払い検討委員会および県としては
手続きの効率化、合理化のための努力を
数年に渡って続けています。

しかし、市役所が
地元にフォーマットどおりに
書類を作成させることだけに腐心すれば
検討委員会の検討、提案、努力も
全く意味を持ちません。

糸島市
 直接支払い制度において
 最も、地元に負担をかけません」
くらいの姿勢であるべきであるし
直接支払い検討委員会としては
そういう自治体を評価します。

 

そうしたら
こんな返信メールが。

 

実施状況報告書(様式第1-8号)に押印をお願いしたいのですが、
近々こちらにお越しいただくことは可能でしょうか。
よろしくお願いいたします。

 

押印なんか
全然、意味ないので
無視しておきました。

 

そうしたら、今日
携帯がなりました。

 

とってみると
(お世話になっている大入の)
区長から。

「市役所から連絡があって
 直接支払いの書類に押印してほしいとのことやけど。
 今日が県への提出締切らしくて」

「わ、わかりました。
 できるだけすぐ行きます」

 

電話を置いた瞬間
死にました。

本当に、数分間、死にました。

 

 

理由①
あれだけ
地元の負担を減らすように
検討委員会副会長名で言ったにもかかわらず
こんな対応。

 

理由②
しかも
押印なんか、本当に意味がないのです。
法的拘束力もないし
海外では通じません。
現代社会なら簡単に偽造ができます。

 

理由③
忙しいので連絡は必ずメールで
と文書でちゃんとお願いしたにもかかわらず
区長というフィルターを通じて
携帯に連絡してきたこと。

 


ちゃんと押印してきました。

 

怒りに震えていて
いろいろ言いたいこともありましたが
若い職員さんの顔を見たら
「この人も自分ではどうにもできないんだろうなぁ」
と思い、押印だけして
何も言わずに市役所を
あとにしました。

 

それでも、押印だけのために
自宅から往復1時間です。

 

 

八女市とかだったら
往復3時間以上
かかる地域もあります。

 

 

こんなことが
福岡県全域
日本全土で行われています。

 

 

こういう感じで
地元は負担が増し
農村は疲弊し
離農し
直接支払制度から離脱する地域もあります。
こういうくだらない粗探しをしている
行政職員のために
私達の税金は使われています。

 

チェックを厳しくしないと…
という懸念を持つ人もいますが
農業の直接支払いについては
その心配はないと個人的に思います。

 

 

だって
補助金をもらおうが
もらうまいが
水路の溝さらえや
ため池管理、等々は
せざるを得ないのです。

 

 

しなかったら
田植えできないから。

 

 

じゃぁ、
補助金なくてもするんなら
なくていいじゃん
という声があるかもしれないけど
それは違います。

 

 

私達、
日本国民は
地域住民は
農業、農村から
景観や
生物多様性
水源涵養や
土砂崩れ防止や
文化継承や
経済的評価されてない価値
(外部経済効果)を
たくさん得ているのです。

 

 

その外部経済効果を
ちゃんと経済評価して
日本の農業、農村をちゃんと守っていこうというのが
直接支払制度です。

 

 

その手続きが
アホだとその農家の負担が増えるのです。

 

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