毎年恒例、
運動会の前日は、
ばぁばと一緒に「巻きずし」づくり。
ご飯を炊いて、酢飯を作り
団扇であおいで、粗熱を取り
冷やし
キュウリを塩もみして
水気を切り
厚焼き玉子を焼き
ニンジン、かんぴょう、シイタケは
大分で煮つけて
わざわざ持ってきてくれて…
そして
とらじろう
おとねを膝に乗せ
やさしく
しっかりと
巻きずしの巻き方を教えてくれます。
この巻きずしには
ものすごい手間がかかっています。
手間とは時間。
時間とは命。
この巻きずしは
ばぁばの命、そのものです。
こんなとらじろうも
いつかは思春期を迎えるでしょう。
そして、ばぁばも
いつか命の時間はなくなるのでしょう。
この瞬間が
とらじろうやおとねの
心の奥底に
ずっとずっと残っていてほしい。
ばぁばの
愛情ややさしさや
手間や技術や
食に対する想いを
受け継いでほしい。
そんなことを思いながら
書いたのが
『ばぁばの巻き寿司』
という作品です。
1年でも長く、この光景が見れますように。