ある小学生から相談を受けました。
イジメられているのだと言います。
学校の先生に相談しても
「直接その場を見ていないので、指導も注意もできません」
って言うとのこと。
相手の親に相談しても
「うちの子がそんなコトするはずありません。
オタクのお子さんがウソをついてるんじゃないですか?」
って言うとのこと。
だから、その子は、
私が書いた「ニワトリの尻つつき」の記事を思い出しながら、
ガマンし続けているのです。
だけど何も解決しない。
だから私に、直接、相談しに来たとのことでした。
動揺しました。
目の前が真っ暗になりました。
何も言えなくなりました。
怒りもこみ上げてきました。
私は、その子に
「イヤだな~って思ったら、学校、休めばいいよ」
ってアドバイスしました。
そうしたらその子は、
「先生がズル休みはいけないんだって」
って言います。
鳥肌が立ちました。
こういう真面目で賢くて強い子が、
ガマンの限界を超えたときに、
「自分の命で、自分の正しさを証明してみせる」
なんて思っちゃうのかもしれません。
学校に行かないなんて全然アリ。
わざわざ「あなたのことが嫌いだ」
っていうような環境に身を投じなくていい。
一生の問題です。
ある授業で、学生からの質問を受け付け、
私がそれに答えるという、
質疑応答の時間を設けました。
前から順に、学生に質問させていたのですが、
ある男子学生は、とても混乱した様子で質問できませんでした。
授業終了後、その彼が、私の元にやってきました。
話を聞けば、皆の前で発言しようとすると、
小・中・高とイジメられた経験がフラッシュバックするのだと言います。
鉛筆を投げられ、椅子をひかれ、ヤジが飛び、
そんなことが思い出されて混乱し、
ドキドキして、パニックになって何もできなくなるのだと言います。
このレベルまでなると、
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とか、
PD(パニック障害)なのかもしれません。
いじめの問題を議論していると、
「いじめられる方にも原因がある」
なんてことを言う人がいます。
そんなことは絶対にありません。
100%、いじめる方が悪い。
「いじめられた経験もいい経験になる」
なんてことを言う人がいます。
ある意味、事実でしょう。
でも、それは、その強さがある人が言える言葉です。
彼のようなレベルになると、
これからいろんな面接を受けたり、
人前で発表したりする際に、
本当に苦労するでしょう。
いじめが人の一生を狂わせることもあります。
だから、わざわざ、
そんな環境に身を投じなくていいのです。
やさしさと思いやりで満ちあふれている社会もあります。
やわらかさとあたたかさで満ちあふれている世界もあります。
あなたのことが、大好きだって、
必要なんだって、
かけがえのない存在なんだって、
言ってくれる人がいっぱいいます。
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