食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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ショート-無限ループ-

 

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海からの帰りの車の中で
いろんなことを考えていて
こんなショートにアウトプット。

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『無限ループ』

 

その男は、若いのに
そして現代社会ではめずらしく
毎朝、地域にあるお地蔵さんに線香をあげ
お参りを欠かさなかった。

たまに掃除もした。

お祈りすることは
「地域の安寧とみんなの健康」。

 

ある朝、お地蔵さんの化身が
男の目の前に現れこういった。

「お前は、毎朝、お参りをしてくれているし
 その祈りは自分のことではなく
 ほかの人のことばかり。
 だから、3つお前のお願いを叶えてあげよう。
 ただし、お願いは自分のために使うこと」

 

え~~~!
まじか!、3つの願い、よくあるやつじゃん。
で、3番目の願いに
「この願いは、また3つの願いを叶えるようにしてください」
とお願いしたらダメとか言うんでしょ?

 

それでもいい。

 

いいの!?
無限ループじゃん!

 

じゃぁ、
1つ目、たくさんのお金が欲しいです。

わかった。叶えてやろう。

2つ目、いい車に乗りたいです。

わかった。叶えてやろう。

3つ目、3つ願いを叶えてほしいです。

わかった。叶えてやろう。

また1つ目、世界旅行をしたいです。

わかった。かなえてやろう。

また2つ目、新築の大豪邸が欲しいです。

わかった。かなえてやろう。

また3つめ。3つ願いを叶えてほしいです。

またまた1つ目、高級な時計が欲しいです。

…たくさんのお金があるから買えるだろうに。
わかった。かなえてやろう。

またまた2つ目、たくさんのマンガが欲しいです。

…たくさんのお金があるから買えるだろうに。
でも、わかった。叶えてやろう。

またまた3つ目、3つ願いを叶えてほしいです。

わかった。かなえてやろう。

 

あ~、俺、人のために
とか言いながら、こんな状況になったら
めっちゃ俗物やん…ま、いいか。

 

でも、そうすると
だんだん欲しいものはなくなっていくし
簡単に手に入るものだとわかると
あまり欲しくなくなってくる。

 

男は、やっぱりモノではなくヒトだ
と気づいた。

またまたまた1つ目、ステキな恋人がほしいです。

わかった。かなえてやろう。

またまたまた2つ目、たくさんの友達がほしいです。

わかった。かなえてやろう。

またまたまた3つ目、3つ願いを叶えてほしいです。

わかった。かなえてやろう。

 

豊かな人間関係は手に入ったけど
そうすると増えるのがいざこざやストレスだ。

また×4、1つ目、ストレスのない人間関係が欲しいです。
また×4、2つ目、みんなにいい人と思われたいです。
また×4、3つ目、3つ願いを叶えてほしいです。

 

やっぱり、こんなにモノやヒトに恵まれても
それを活かす体、健康は大事だよな。

また×5、1つ目、健康な体が欲しいです(病気にならないようにしてほしいです)。
また×5、2つ目、年をとらないようにしてほしいです(死なないようにしてほしいです)。
また×5、3つ目、3つ願いを叶えてほしいです。

 

あ、健康でも事故で死ぬこともあるな。

また×6、1つ目、事故にあわないようにしてほしいです。
また×6、2つ目…

 

もう、ここまでくれば願いはもうない。
これから、最高に幸せな人生がまっている。
しかし、男は考えた。
「のこりの願いがもったいない」
「もっと大切な願いがあるんじゃないか」
そこで、最後にこんなお願いをした。

また×6、1つ目、のこり2つの願いを叶えるために、願ったときにまた目の前に、現れてください。

わかった、かなえてやろう。

 

俺、天才かよっ!

 

そうして男はお金や豊かなモノに囲まれ
豊かな人々に囲まれ
いい人と思われ
ストレスもなく
事故にも合わず
病気にもならず平穏な毎日を送ることができた。

 

確かにドキドキワクワクするような
スリルやエキサイティングさとは無縁だし
挑戦しようとしたり
成長していく喜びはなくなった。
でもまぁ、
「豊かで安定した生活と引き換え」、
「それは仕方ない」
と言い聞かせる。

 

人のために生きなくても
自分勝手にわがままに生きても
みんなに「いい人」って思われる。
それはとても楽なのだけれど
なにか空しい。

 

いや、ねたみや嫉みもあるし
人のために行動することもなくなったから
そもそも、いい人ではないのだけれど
「願い」のおかげで
「いい人」と思われているだけなのだ。
そんな思いが日をますごとに強くなっていく。

 

みんなは自分を好きでいてくれるけど
自分は自分を嫌いになっていく。

 

さらに。
自分は年をとらないのだけれど
周りの人々がみんな年をとり
病気になっていく。
亡くなっていく。
それをずっと、見送らなければならない。


自分は年をとらないので
ずっと同じ40代との付き合いが続き
ずっと同じ話を繰り返さなければならない。
同じ豊かな毎日を繰り返さなければならない。

無限ループだ。
自分のことが嫌いになる豊かな毎日の
無限ループ。

 

彼はお願いした。

また×6、2つ目、また目の前に、現れてください。

そして最後にお願いした。

また×6、3つ目、すべて元に戻してください。

(おわり)

 

結局、書き進めて行ったら
『浦島太郎』になった(笑)。

 

『浦島太郎』は室町時代から江戸初期にかけて作られた「御伽草子」の物語群の一つだが、浦島太郎が竜宮城へ行った年は、西暦 478 年(雄略天皇 22 年)の秋 7 月。『日本書紀』「雄略紀」の条に記されている。

 

つまり、1600年前も
人の願望や悩み、
本質は変わらないということ(笑)

 

 

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