子育てに失敗はないのか？ - ゴーシ先生のSNSでは書けない話

『教員35年の結論「子育てに失敗なし。放っておけばいい」と断言するワケ』
という記事を読んで。

news.yahoo.co.jp

なんとなく違和感。

その違和感について
しばらく考えました。

論点①「子育てに失敗はないのか？」

絶対にあります。
例えば、「毒親」の子育て。

ネグレクト、アビューズ、DV、過干渉、等々。
ゴーシ先生の知り合いでも
毒親に育てられ、未だに苦しんでいる
30代、40代ママ、ワンサカいます。
そんな毒親の子育てが「失敗じゃない」なんて
口が裂けても言えません。

むしろ「子育てに成功なんてない」。
みんな悩み、苦しんでいます。
でも、周りの子育てはよく見えるから
「自分だけなんでできないんだろう…」
と落ち込んじゃうわけです。

だから
そんなママには
「大丈夫。みんな悩み、苦しみ、失敗してるし
　できてないことだらけ。
　子育てに成功なんてないよ」
というスタンスのほうがいい気がします。

論点②「子どもがいろんなチャレンジができる強さを身に付けること」

これは絶対に必要。
そのためには
・子どもが興味を持ったものは何でもやらせてみること。
・「失敗していいんだよ」というメッセージを送ること。
・結果（成功）ではなくプロセス（努力や成長）を承認すること。
・失敗させないように親が先回りしないこと、等々。

子どもには失敗する権利があります。
失敗して、成長して、できることが増えていくことが
大人になるということです。

親が子どもの、失敗の権利を奪ってはいけません。

論点③「親が『子育てに失敗してはいけない』という考えを捨てれば、子どもがいろんなチャレンジができる強さを身に付けることができるのか？」

これは相当に論理の飛躍があると思います。
確かに、「子どもに失敗してもいい」というメッセージを送るために
親自身が、いろんな物事にチャレンジして
失敗しても、それを楽しみながら再チャレンジして…
という背中を見せることは大事でしょう。

だけど、極端な話
「子育てに失敗してはいけない」という考えを捨て
「子育てに失敗はない」と思い
ご飯を作らなかったり
自己中心的なふるまいで子どもを振り回したり
子どもほっぽらかして遊び回ったり
子どもの目の前で夫婦喧嘩をしたり…
その結果、
「子どもがいろんなチャレンジができる強さを身に付けることができる」
訳はありません。

子育てに成功はないのだけれど
その子のことを思って最大限の愛情をそそぐことが基本。
右往左往しながら、試行錯誤しながら
その選択が、間違ってたり、失敗してもしゃーない
みんな間違いはあるし、失敗してるよ
という話。

論点④「そもそも一部の層しか見てないんじゃないか？」

この先生、教員35年というキャリアはすごいと思いますが
勤めたのが「お茶の水女子大学附属小学校」。
かなりハイレベルな学力、経済力が必要な学校です。
当然、親も教育に熱心でしょう。
そんな家庭が多いから