食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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農家として成功するには?

2016年度 農業大学校 特別講義 day2

「将来やりたいこと、今困っていること、そのうえで学びたいことは?」

  •  (親にどんな農業してもいいといわれていて)農家として成功するには?
  • キュウイ農家として成功するには?
  • 地域の人たちとの接し方、交流の方法。
  • 地元特産品を活用しての商品開発、マーケティング方法は?
  • ゴーシ先生の人生観。
  • おすすめの本は?
  • お金の使い方。
  • どうやったらモテるか。
  • 料理の心得、コツ。
  • 一人暮らしで、毎日続けられる料理は?

 

まず
「農家として成功するには?」
からこたえることにしました。

 

 

アドリブで
こんなロジックツリーを作って
解説しました。

f:id:kab-log:20170217133110j:plain

成功の定義は様々ですが
経営の目的は「利潤の最大化」です。
と考えれば
農家としての成功するための
一つの条件は利益をupすることです。

 

利益とは「売上ーコスト」ですから
利益をupするためには
大きく2つの方法があります。
①売上を上げる。
②コストを削減する。

 

では農業経営において
どんなコストがかかるか。

大まかにあげてみると、

  • 人件費
  • 土地、施設費
  • 機械、農具費
  • 燃料費
  • 種苗、素畜費
  • 資材費
  • 雑費
  • 租税公課、等々。

次にこれらのコストが
「削減できるか」
「削減していいか」
ということが問われてきます。

 

例えば、
人件費は削減することはできるでしょう。
雇用労働力は
より安いアルバイトに切り替えればいい。
だけど
クビになったアルバイトさんは
その農家に対して不平不満を持つでしょう。
農村で生きていくためには
地域住民に不平不満をもたれては
やっていけません。

 

税金も節税できるかもしれませんが
そもそも農業には
多大な税金が投入されています。
とすれば、農業で儲けることができたなら
しっかりと税金を納めるべきです。

 

また、燃料費、種苗費、資材費とかは
削減したくても
なかなか難しいかもしれません。
それらをケチって
農産物が全滅してしまっては大変です。

 

そう考えると
農業においてコスト削減によって
利益をupしていくのは
なかなか難しいことが分かります。

 

 

売上をupする方法は
①規模拡大
②収量増加
③ロス削減
④単価を上げる
等の方法が考えられます。

 

規模拡大による売り上げのupは
スタンダードなやり方ですが
コストもupしてしまいます。
しかも、人口減少時代。
消費量は減っていくので
単価が下がってしまう可能性があります。

 

技術的に未熟であれば
収量upもできるでしょうが
一定の技術レベルに達していれば
収量upは見込めません。

 

市場に出荷できないB級品を
直売所に出荷し
ロスを削減するという方法もあります。
ただ、限界があります。

 

そう考えていくと
単価をupしていくということが
売上、利益upの方法として
最も有効かもしれません。

では、どうやって
単価をupしていくか。

 

やり方はいろいろあるでしょう。
・品種を変える。
・栽培方法を変える。
・情報発信する。
ブランディングする。
・売る場所を変える。
・売り方を変える、等々。

一つ一つ
具体的な農家さんの事例を挙げて
解説いたしました。

 

学生さんたちには
「複雑そうに見える農業経営が
 すごく簡単に理解できた」
「でも、その一つ一つが奥が深そう」
「これをアドリブで解説するなんてスゴイ!」
と喜んでいただきました。