食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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成長社会の終焉

今日はある高校での講演。

テーマは「挑戦と失敗と成長の自立学」。
90分熱く語り、
いつもどおり大好評でした(笑)。

講演依頼の際
「16時から懇談会が予定されております。
 お時間が許せば
 是非、ご一緒出来ればと思います」
と連絡をいただきました。

普段も、講演終了後
校長室で、お茶を飲みながら
PTA役員さんたちと
少人数で談笑
みたいなことはあるので
「了解です」
と気軽に引き受けました。

講演終了後、
「では、こちらに…」と
会議室に通されると
大人数が待ち構えていました。

テーブルの上には
ビール、ワイン、寿司、オードブル…
「あ、あの…
 これ、懇談会ではなく
 partyって言うんですけど…」

とらじろうに
「今日は早く帰ってくるね~」
と約束し
さらに地域の会合も入れてしまったので
飲み会大好きの私が
一切、飲まず、食べず
全員にお酌をして早々に切り上げようと
会場を回りました。
そうしたら
お酌する先々で
「一つ質問していいですか?」
それぞれの質問に
質問に真剣に答えていたら
30分で切り上げるつもりが
1時間以上もたっていました。

とらじろう、ゴメン。

「いい大学を出て、
 いい企業に就職してほしいんですが…」

ある広告代理店は
皆が羨むような一流企業だとは思いますが
ある女子学生は
東大出て、そこに就職し
過労死してしまいましたよ。
自分の子どもがそうなったら
どうでしょう?

「大学生の娘が引きこもりがちで…」

全然、いいじゃないですか。
世界を変えるような
サービスやプロダクトを創るには
大学に行かず引きこもる時間が必要ですよ。
大切なのは
授業に出ない、引きこもる自体でなく
その時間に何をしているかのほうですよ。
そこを見つめましょう。

「娘が
 自分には自信がある
 なんか言うんですよ
 親として、子どもの人生を
 いい方向に導きたくて…」

あなたはそんな力がありますか?
あなたは人生で、
社会から評価されるような成果を残せましたか?
無限の可能性のある18歳に
おこがましくないですか?
お母さんはあなたを信じています。
1、2、3でお母さんなんか
一瞬で越えていきなさい。
それでいいじゃないですか。
応援してるよ、あなたはやれる!
それでいいじゃないですか。


なんて、本気で質問に答えていたら1時間以上。

とらじろう、ゴメン。

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20世紀を生きてきた親は
20世紀の価値観で
子どもの未来を見ています。

20世紀は、人口増の成長社会でした。
人口が増え
消費量が増え
生産量が増えます。

三種の神器と言われるような製品が開発され
消費量が増え
生産量が増え。
普通に経済成長します。
普通に企業の業績も伸びます。

成長社会では
普通にしていれば
成長できました。
「失敗」しなければいいのです。

そんな環境下では
「失敗しない人材」が求められます。

いろんな事情と相まって
日本的雇用が形成されました。
「収支雇用」
年功序列
「新卒一括採用」です。

そのプロセスの中で
「大学入試」
高校入試
「偏差値教育」
が形成されました。

失敗しない人間を
探し出すためのフィルターです。

その結果、
教育にお金がかかるようになりました。

教育費が高くても
公的な支援があれば問題ないのですが
GDPに占める教育機関への公的支出の割合は、
OECDの中で日本は最下位です。

だから奨学金という名の借金が生まれ
学生貧困が生じます。

親は子どもを大学に行かせるために
お金が必要ですから
不満だらけの今の会社も辞めれません。
鬱とか過労死なんか問題が生まれます。

ワークライフバランスが崩れ
夫婦問題が生じ
離婚に発展し
シングル家庭になり
貧困に陥り
社会的コストを生じます。

これが今の社会問題です。

もっと根本から
冷静に考えましょう。

日本の人口は毎年30万人ずつ
減少しています。

収支雇用、年功序列、新卒一括採用
という制度も崩壊しつつあります。

5年後、10年後には
崩壊しているでしょう。

そもそも
今の大企業が
5年後、10年後に
どれだけ生き残れるのか
のほうが疑問で
むしろ
スペシャルな技術のある
中小企業のほうが
生き残っているかもしれません。

だって
AI、ロボットが
人間労働を代替する時代です。

しかもそれは
私たちが思っている以上に
早く、有能です。

いずれにせよ
根本が変化しています。

いい大学に入れば
いい会社に入ることができ
一生、安泰な人生
なんてことは
もうありません。

親はそんな社会の変化を見越したうえで
子どもにどんな環境で
どんな力を身につけさせるかが問われてきます。

いい大学に入って
いい会社で一生安泰なんて
ないですよ。

そもそも
会社は
入るより、創るほうが楽しい。

2016/01/09、
ある調査で
日本の子どもの「将来就きたい仕事」ランキング
1位が会社員(サラリーマン・OL)
というニュース。

自分の子どもの将来の夢が
「サラリーマン」

個人の思想、生き方は自由ですが
うちの子には違う夢を持ってほしいなぁ。

さぁ、子どもに
どんな人生を提示しますか?