食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


official web: http://goshisato1973.com/


佐藤剛史の著作一覧


佐藤剛史への講演依頼

講演依頼フォームはコチラ


佐藤剛史の講演のサンプル動画


佐藤剛史への連絡は→goshisato1973@gmail.com

友だち追加

出産は命がけ

朝、通勤中
車の中で「とくだね」を見ていて知りました。


無許可で助産所を開設し、
出産時の出血で女性を死亡させたとして、
神奈川県警は16日、
業務上過失致死と医療法違反の疑いで、
相模原市南区
「のぞみ助産院」院長の
女性助産師(69)を書類送検した。
書類送検容疑は昨年4月27日、
入院中だった相模原市中央区の女性
=当時(33)=が男児を出産する際、
多量の出血をしたのに必要な措置を取らず、
搬送先の病院で同28日に死亡させた疑い。
また昭和62年2月から行政の許可を得ずに
助産所を開き、
医療法で求められる緊急時の嘱託先病院も
平成20年4月以降、決めていなかった疑い。
県警によると、
昨年4月27日午後11時半ごろ、
助産所で水中出産した女性の血が止まらず、
助産師は同28日午前2時50分ごろに119番した。
「目視で1~1.5リットルの出血があり、
医療機関に搬送すべきだった。
色が薄く、当初は血液ではないと判断した」
書類送検容疑を認めている。

ヒトという生きものにとって
出産は「命がけ」です。

 

1970年には
1年間に1008人の妊産婦が
死亡していました。

 

医療や出産環境が高度化され
2012年の妊産婦死亡数は42人。

f:id:kab-log:20170215212702j:plain

妊産婦死亡率とは、
出生10万件あたりの妊娠に関連した
原因による女性の死亡数で表されます。

 

その割合は2000年、
世界平均で推計10万件あたり400人。
最も高いアフリカで830人、
日本を除くアジアで330人。
日本の妊産婦死亡率は
1994年以降、6~7人の間を推移しています。
日本のこの数字は驚くべき数字です。

 

しかし、ゼロにはなりません。

 

出産とはそんなものです。
命をかけて、新しい命を生み出すのです。

 

2012年
42件の妊産婦死亡原因の内訳:

妊娠・分娩及び産じょくにおける浮腫
たんぱく尿及び高血圧性障害 8件
前置胎盤及び(常位)胎盤早期剥離等 
分娩前出血, 他に分類されないもの 4件
分娩後出血 3件
産科的塞栓症 11件
その他の直接産科的死亡 9件
間接産科的死亡 7件

 

私は
『大学では教えてくれない大学生のための22の大切なコト』

 

 

を書くに当たり
内田美智子先生にこうしたことを
教えてもらいました。

これまでの妊婦検診でも全く問題なし。
無事出産も終わったのに、
胎盤がはがれた場所から
大量に出血が始まるケースがあります。
私たちのような
個人で開業している産婦人科では
対応できないので、
大きな病院に運ばれることになりますが、
あっという間に大変な事態に陥ります。
そうして死に至る場合があります。

では、母体死亡のリスクがあるからと言って、
「産みませんか?」とお母さんに問えば、
私は、誰もが「産む」と答えると思います。
女性は自分の命をかけて、
新しい命を産む。
母とはそういう存在なのです。
大学生の皆さん。
あなた方のお母さんは、
本当に命がけであなたたちを産んだのです

 

出産は命がけ。

その
リスクを知った上で
自らの意志、
夫婦の合意のもとに選択し、
その選択に責任を負う。

女性も男性もまず、
それを理解しておくべきでしょう。