講演で
「いのちの数」
を紹介することがある。
(著書にも書いている)
1年間に生まれる赤ちゃんの数が…
流産の数が…
という具合だ。
しかし、決定的に間違っていた。
理由は
厚生労働省と
日本産科婦人科学会とで
流産・死産についての定義が異なるためだ。
日本産科婦人科学会では
「妊娠22週未満を流産」と定義し、
22週以降の場合「死産」と定義されている。
一方、厚生労働省は
妊娠12週から出生までの間の
自然死産+人口死産を
死産と定義している。
厚生労働省資料では
妊娠12週未満の胎児が
亡くなってしまうことについての
定義も統計資料もない。
なぜなら、
昭和21年の厚生省令第42号(死産の届出に関する規程 )によって、
「妊娠12週以後の死児の出産=死産」であった場合、死産証書に添えて
死産の届出(死産届)が義務付けられている。
だから、この数は統計的に把握できる。
だけど、12週未満は不可能だ。
ちなみに
内田美智子先生によれば
こんなプライベートで
ナイーブなことを
お上に届け、正確に数が把握できているなんて
日本くらい、と言っていた。
さて、厚生労働省の定義に基づいた
正確なデータは…
平成22年
出生数:107万人(1,071,304人)
死産:26,560人 ※妊娠12週~出生、自然死産+人口死産
自然死産:12,292人
人口死産:14,268人
である。
また、
人工妊娠中絶:212,665人 ※妊娠22週未満
この人工妊娠中絶には
人口死産の数も含まれている。
妊娠12週未満の人工妊娠中絶は
198,397件(212,665-14,268)
ということになる。
問題は、
妊娠12週未満の
早期流産がどれくらいあるかだ。
これは届けが必要ないので
正確な数の把握は難しい。
全妊娠の15%前後が流産に至るとの説
から推定し、
学会と厚生労働省の
定義の差を埋めるような整理をすると…
全妊娠:約150万
出生数:約107万
早期流産(妊娠12週未満)
:約21万
後期流産(妊娠12~22週)
:約1万
死産(妊娠22週以降)
:約3500
人工妊娠中絶
:約21万
不妊症
:約200万
となる…はず…。
(正確なデータをもっている方がいれば
どなたか、教えてください)
いずれにせよ
生まれるって
当り前のことじゃない。
生まれただけでもスゴイことなのです。
与えられた命を大切にしよう。
生んでくれたお母さんに感謝しよう。
ちなみに2010年の妊産婦死亡は45人。
お母さんは命がけであなたを産んだのです。
目の前にいるお友達の命も。
すべての命を。
与えられた命で
キラキラと輝く人生を創ろう。