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ヴィオラ・ガール

「婚学」では、
全15回の授業の冒頭に
必ずヴィオラ・ガールという話をする。

ドイツでの環境政策の調査後
帰国の途へ。

 

フランクフルトから
ヴィーン経由で成田へ。
ヴィーンで乗り換えたのは、
ジャンボジェット。

私の席は、2階の一番後ろの右側。
とてもいい席だった。

 

3列シートの
真ん中の席なんか
たまったもんじゃない。
両側と肘掛けバトル。
しかも10時間。

 

そうしたら
私のとなりの
その真ん中の席に、
ヴィオラを抱えた
とてもかわいい女性が乗り込んできた。

 

後々、分かるのだが、
オーストリアの音大に留学中なのだという。

 

 

狭い、エコノミークラスの席。
ヴィオラを置くスペースはない。
頭上の荷物入れには入らない。
彼女は、股を開いて、
その間に、大事そうにヴィオラをはさんだ。

 

今から、10時間以上もの間、
彼女はその格好である。

 

見るに見かねて声をかけた。

「その楽器なんですか?」
ヴィオラです」
「荷物に預ければよかったのに」
「一度、乱雑に扱われたことがあって。落とされたんです」

しばらく考えて、こう提案した。

「そうですか。席を替わりましょうか?」

一番、右の席は、
窓との間に20~30cmのスキマがあり
そこにヴィオラがおけるのだ。

 

「申し訳ないです。ずいぶん前からその席は予約されていたんでしょう?」
「大丈夫ですよ」
「でも…」

 

というやりとりが繰り返された後
「では、通路側(3列シートの一番左)の男性が
 トイレに立ったら
 席を替わりましょう」
ということで落ち着いた。

 

なかなか
トイレに行かないかもしれないし
すぐに行くかもしれない。


離陸後、
シートベルト着用のサインが消えると
その男性は、すぐにトイレに行った。

 

そして、私たちは席替えをした。

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さて、男子学生に質問です。

あなたならこんなとき、
この女性に声をかけることができますか?

「かけれます!」
という積極的な学生も数名はいるけど
おおよそは
「かけれません」
「雰囲気によります」。

 

「雰囲気によります」って言っても
飛行機の中なんて、
ずっと無言だし
となりの女性を、
じろじろ見るわけにもいかない。

 

では、なぜ声をかけれないか聞くと
「ヘンな人と思われたら嫌だから」
「迷惑と思われたら嫌だから」
云々。

 

だって実際、
飛行機でも
列車でも
バスでも
隣の女性に声をかけた経験など
ないでしょう?


では、女子学生の皆さん。
あなたが、その音大生の立場で
そのように声をかけられたら
どう思いますか?

 

ヘンな人と思いますか?
迷惑と思いますか?

 

みんなの答えは
「うれしい」
「親切」
「やさしい」


そうなんです。


「ヘンな人と思われたら嫌だから」
「迷惑と思われたら嫌だから」
と勝手に自分で思い込んで
自分の行動を制限してしまうことがある。
自分の可能性を閉ざしてしまうことがある。

 

それをすることで、
自分も相手もhappyになるかもしれない。
だけど、自分の勝手な判断で
そのチャンスを失うことがある。

 

恥ずかしいとか
そんなんって
自分の心が
勝手にそう決めていることで
周りの人は
そんなこと思っていなかったりする。

 

みんなが今座っている席もそう。

いつものように、
男子学生で固まって座る。
仲の良い友達の隣に座る。

せっかく、婚学の受講生として
こうして集まったのだから
知らない人の隣に座って
自分の人生の可能性を広げてみよう。

 

さぁ、
今から全員カバンをもって教室から出て、
教室に入り直し!
勇気を出して、
知らない人の隣に座ってみる!!

 

恥ずかしって
自分の心が
勝手にそう決めているだけなんだよ。