ホテル・ニューオータニで行われた
一般社団法人 福岡県中小企業経営者協会連合会 女性経営者の会
主催の上野千鶴子先生の講演会に参加しました。
受付で、ある方と久しぶりに会い
「あら、今日は女性経営者の集まりですよ」
と声をかけられました。
「僕、よく『女性よりも女性的』と言われているんで」
とお答えしました。
もし、ゴーシ先生が
トランスジェンダーなら
こういう発言もハラスメント。
ジェンダー論者って
結構、平気でこんなこと言う。
それに比べて
上野千鶴子先生のお話は
冷静で客観的でウィットにとんでいて
本当に面白かったです。
ただ、話がうますぎて
流れるように展開しすぎて
講演記録記事を書こうとしても
うまくまとまりません(涙)
ゴーシ先生流に編集して紹介します。
日本のジェンダーギャップ指数。
2018年の順位は149か国中110位(前年は144か国中114位)。
経済分野 : 0.595(117位)
教育分野 : 0.994(65位)
健康分野 : 0.979(41位)
政治分野 : 0.081(125位)
政治と経済が弱いです。
ただ、国際的に見ると
女性経営者比率、国際的に見ても高い。
特に福岡は、7社に1社が女性社長で、全国3位。
それは中小企業が多く
中小企業は女性経営者の割合が高いから。
日本の女性経営者は
- 家業後継者タイプ
- 創業者タイプ
に分けられます。
「家業後継者タイプ」については
ヨメに家業を継がせる珍しい国。
「創業者タイプ」は
労働市場で不利な立場だった人が多いそうです。
「ここまでやっているのに
こんなに報われないなら
脱サラして、自分でやろう」
という感じ。
テレビに出まくっている古市君は
上野先生の教え子で
「若者の起業」を研究していました。
その結論。
「東大男子は起業しない」。
なぜなら、労働市場において
東大男子は圧倒的有利な立場なので
起業する動機がない。
日本は女性の非正規雇用率が高く
増加していて、
それが賃金格差につながっています。
さて、政府はh15年に「202030」を決定しました。
これは
「社会のあらゆる分野において、
2020年までに指導的位置に女性が占める割合を
少なくとも30%程度とする目標」
です。
「なぜ、202050ではないの?」と思いますが
30%とは意味がある数字で
経営学的に、3割を超すと少数派でなくなり、
組織文化が変わるのだそうです。
では202030が可能かと言えば
日本学術会議の結論は「不可能」。
H28年に「女性活躍推進法」が施行されました。
安倍首相をはじめ、
ネオリベ(新自由主義)の人たちは
男女平等政策が大好き。
ただし、こういう政策には
実効性がありません。
罰則規定がなく、努力義務のみなのです。
そして、男女平等政策の裏で
労働法制も変えられてきました。
労働法制、男女平等法制が手を携えて進められてきました。
その結果、
均等法の適用を受けない女性労働者
つまり非正規雇用の女性が増えていきました。
ただし、この間に
セクハラに対する認識や対応は変わりました。
2007年には改正男女雇用機会均等法が施行され
セクハラ予防と対応への使用者責任が問われるようになりました。
これまでは、被害リスクのある
女性社員が研修対象でしたが
コレ以降は、加害リスクのある
男性管理職が研修対象になりました。
これまでは、被害女性社員を
何も言えないようにして静かに退職に追い込むという対応でしたが
コレ以降は、加害男性管理職を
静かに退職に追い込むという対応になりました。
最もわかりやすいのが
福田次官のセクハラ発言問題です。
このように企業内でのセクハラ対応は
変わりましたが未だに企業間のセクハラ問題は
変わっていませんし、難しいです。
ちなみに
セクハラ被害を訴えると
「それって、モテ・アピール?美人アピール?」
と思われそうで
訴えれません
という意識を持っている女性もいるそうなのですが
調査によると
セクハラ被害に、年齢も容姿も体型も関係ありません。
さて。
現在、出生数が激減し、労働力が不足しています。
既存の保守政治家と
ネオリベ政治家の決定的な違いは
ネオリベ政治家は
「女性は家を守っておけ」
とは絶対に言わないことです。
口が裂けてもいいません。
日本において、女性は、最後の貴重な資源なのです。
女性に活躍してもらわなければ困るのです。
しかし、その結果
ジェンダー格差だけでなく
女女格差も生まれました。
女性には
働いてほしいし
も産んでほしいということです。
ある調査によると
正規雇用のほうが結婚確率が高く、出産確率が高い
事がわかりました。
「相手の男に高い期待をもたなくてすんだ」
ということです。
逆に女性の経済環境が厳しいと
男性に求める期待が高くなり
結婚できないということです。
女性は、結婚、妊娠、出産があるから
離職すると思われがちですが
それも違います。
やりがいのある仕事であれば、
妊娠・出産しても、会社をやめないのです。
妊娠・出産後に
やりがいのない仕事をさせられるのです。
これをマミー・トラックと言います。
会社のど真ん中に問題があるのです。
入社から10年後の
男性SE、女性SEを比較してみると
明らかにスキルとポジションに差が生まれていました。
「アスピレーションのクーリングダウン」
簡単に言えば、やる気を阻害されること。
女性は子どもの頃から与えられています。
そうなると女性の働き方は
①男性並みの働き方→できなければマミートラック
②使い捨て労働力
どちらがいいですか?
ということになります。
そもそも日本型雇用が諸悪の根源です。
日本型雇用とは
労働組合も悪いのです。
「妻が働かなくてもいいほどの賃金を夫に」
とか言ってきました。
さて、企業を調べていくと
・差別型企業
・平等型企業
があり、平等型企業
均等処遇は経済的合理性があることがあきらかになりました。
では、「企業は変わるか?」
といえば、変わりません。
変える動機がないのです。
これから日本には
性差別のツケがやってきます。
企業は、商品市場、労働市場、金融市場
で戦わなければなりません。
商品市場については
コンビニ業界に代表されるように
ローカルマーケットの多様性の集積
が重要です。
労働市場につ浮いては
働きやすい職場に優秀な女性労働力が集まります
金融市場については
経常利益率の高い企業が投資家を引きつけます。
国内だけであれば
競争力の強い企業に
ゆるやかにシフトしていくかもしれませんが
今は、グローバルなボーダレスの時代。
国際競争に負けます。
巨艦、日本丸が沈没します。
その問題を解決する
処方箋はすでにあります。
①長時間労働の廃止
②年功序列制の廃止(ベースは新卒一括採用)
③同一労働同一賃金の確率
です。
意欲・能力は、
その人に最初からついている属性ではありません。
スーパーマンなんていません。
日本企業が高度経済成長期に
なぜ、これほど伸びたかと言うと
運命共同体を作り、競わせながら
モラル、士気を高め
平均的な人材の能力を高めたからです。
その一方で
女性のモラルをクーリングダウンしてきたのです。
最後に
女性管理職・経営者にできること。
- 働く女性のロールモデルになること。テーラーメイドの働き方ではなく、ゆとりのある働き方、楽しい生き方をすること。
- 個別対応した人事と査定評価。男性はコレが苦手。個別対応の例としては「資生堂ショック」。
- 「弱さ」を認める、「助けて」といえること。言い方を変ええば、巻き込み力が大きい、ほっとけない存在になること。
- マネージャー、プロデューサーは「使える人を見抜いて、使う」。自分に力がなくてもいい。
- 意欲があれば能力が育つ。
- 現場に裁量権を与える、任せて責任をとる
- 次世代を育てる
次世代の女性が
「こんな社会に誰がした?」
と言ったときに
「ごめんなさい。私達が力不足で」
と言わなくていいように。
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