中井さんより
誕生日プレゼントに
『天才の証明』を頂きました。
しかも、サイン本です。
ただ、渡される際に
「これケンは、『…?』という感じでした」
と言われました。
読んでみると
普通に面白い。
前半は
「武勇伝」や「PERFECT HUMAN」
がどのようにして生まれたのかという
戦略性、必然性を
お笑いの歴史等を踏まえながら
すごく分析的に書いています。
- 時代を見据えること。
- 闘う場所を変えること、等々。
すごく参考になる考え方がちりばめられています。
中田さん本人も書いている通り
「分析し、言語化するのが得意」
なようです。
ただし。
テレビを見ていない
お笑いが全く分からない人にとっては
全く分からないと思います。
後半戦は
才能や能力やチームについて
身近な人たちを事例に
すごく分析的に書いています。
ただし。
その人を知らない人にとっては
全く分からないし
興味さえ持てなくなります。
テレビを全く見ない
私がそうでした。
「RADIO FISH」
のメンバーの話をされても
「???」
という感じ。
そのほか、
芸人の名前がたくさん出てきます。
知らなければ
「???」
という感じ。
そして
芸人が事例だけに
身近に感じられません。
「自分にもできるかも」
って思えません。
事例が事例になってない。
普通、事例というのは
分かりやすくするために
挙げるものだけれど
芸人さんを知らない人にとっては
逆に、分かりにくくなったり
興味をなくすことになることもあります。
でも、
お笑いに詳しければ
裏話が聞けるような感じで
すごく面白いと思えるのかもしれません。
中田さんは、自身で『天才の証明』というだけあって
すごく頭がいいと思います。
文章も論理的で、文語的で
内容も分析的で
非常にしっかりしています。
でも、それが、逆に「頭に入ってこない」
という人を生むかもしれません。
一方、同じ芸人でも
キンコン西野さんは
自分でも
先生の話がほとんど理解できず、
学校の勉強はまったく面白くなかったんです。
成績が悪かったこともあって、
大学は行かなかった。
と言っています。
だからこそ
文章は一文が短く
体言止めが多く
全体として口語的。
だから頭に入ってきます。
スルーっと頭に入ってきて
論理の飛躍があったとしても
ドンドン読み進めちゃう。
また、事例も
誰もが身近に感じられる
「作品を売る」
ということに
一点集中していることもあり
「俺にもできるかも」
と思わせます。
このような点で
同じ芸人さんが書いた本でも
すごく対照的。
読み比べながら読むと
数倍面白く感じられます。
このように書いていくと
なかなか伝わりづらいですが
面白かったです。
そして
芸人さんが
こんなに面白い
ビジネス書を書き
本気で売りにかかると
作家さんはタイヘンです(涙)
芸人さんが
本を書いて、サインをして
読者に届ける時代になったということです。
芸人さんでも
「漫才だけで勝負」
という時代ではなくなったということです。
大学教員も
「研究だけで勝負」
だとなかなかタイヘンな時代です。