食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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「できるようになる」学力論③

尊敬する友道先生より

学力問題を考える上で、
そもそも「何のために勉強をするのだろう?」
という問いが頭に浮かんで来ました。


その答えについて
私なりに考えてみました。

 

まず、私は
「生き物には自立と成長の本能がある」
と思っています。

馬でも牛でも、
生後1時間程度で立ち上がります。
もし、立ち上がらず、
ずっとそこに横たわっていれば、
天敵にやられてしまう確率が高まります。

 

いち早く、
立ち上がろうと努力した個体が
生き残ることができます。
いち早く、
親と同じ速度で走れるようになった個体が
生き残ることができます。
いち早く、
親と同じことができるようになった個体が
生き残ることができます。
いち早く、
自分の食べ物を自分で確保できるようになった個体が
生き残ることができます。
いち早く、自分の命を自分で守れるようになった個体が
生き残ることができます。

 

そんな淘汰が何百万年も繰り返されて、
今の生き物がいます。
自然があります。
その進化の歴史の中で、
生き物には、
自立と成長の本能が刻み込まれている
と考えられます。

 

たから、私は
ヒトという生き物は、成長するために
本能的に勉強したいのだと考えています。

 

 

また、ヒトという生き物は
群を作って生活し、
進化してきた生き物です。
ですから
ヒトの三大欲求(本能)には
「食欲」「性欲」に加え「集団欲」
が含まれています。

 

本能的に、
集団を作り
みんなと一緒にいたい生き物なのです。

 

みんなと一緒にいるためには
役に立たなければなりません。
みんなに喜んでもらわなければなりません。
役に立とうと思えば
できるようにならなければなりません。
できることが増えていかなければなりません。

できなければ
みんなに支えてもらう、
助けてもらうばかりになります。

みんなと一緒にいるために
できるようになりたい。
できることを増やしたい。

 

たから、私は
ヒトという生き物は、みんなの役にたつために
本能的に勉強したいのだと考えています。

 

フィンランドの教育も
「人間はもともと興味関心があり、
 自ら学んでいくものだ」
という信念に基づいて行われています。

 

でも、現実的には
勉強が嫌いな子もいます。

 

なぜか。

 

その理由は簡単。

 

「できない」からです。

 

私たちは、できることが好きで
できないことが嫌いです。
好きなことは、繰り返しやるので
さらにできるようになっていきます。
嫌いなことはやらないので
さらにできないようになっていきます。

 

私は、水泳もマラソンも嫌いです。
なぜならできないから。
やろうという気も起きません。

 

勉強が嫌いな子を
好きにさせるには
「できる」ようにすればいいはずです。

 

そのためには
①スモールステップで
②自ら目標設定させ
③計画を立てさせ
④行動し
⑤自己評価させる。
⑥必要に応じてサポートする。
⑦そのプロセスを評価する。

みたいな方法が有効なはずです。

 

さらに言えば
『学力の樹』モデルの
根っこ学力
「興味・関心・態度」
を養う必要があります。
そのために生活と体験が必要になります。

 

また、学力の基礎は言語能力です。

言語能力が低いと
概念化、抽象化が苦手で
勉強はできません。

 

ですから
言語能力を養うために
読書をさせる
読書習慣を身につけさせることも重要でしょう。

 

 

私は、この間、
「学力」「教育」について
相当勉強しました。
学びました。

めっちゃ楽しいです。

 

はっきり言って、
私の仕事、研究には
直接的に関係ありません。

 

でも、楽しいので勉強しました。
知らないことを知る
深く考えれるようになる
そうやって成長していく
ということは
ヒトという生き物にとって
とっても楽しいことなはずです。

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「できるようになる」学力論②

先日の「お魚さばきかた講座」にて。

 

ある小学生が、
魚の数を必死に数えていて
「30匹ある~」
と嬉しそうに言いました。

 

そこで
「子どもが10人います。
 一人何匹さばけばいいでしょう?」
と質問すると
「わり算習っていないからムリ!」
と即答されました。

 

「わり算を習ってなくても
 考えたらわかるよ。
 考えなさい。
 工夫しなさい」
と声をかけました。

 

 

わが国における
学力問題の一端を
この瞬間に感じました。

 

問題その1。
「習っていない」と思った瞬間に
考えることさえせず
思考停止に陥っていること。
考える癖がついていないこと。

 

 

問題その2。
「習っていない」瞬間に
思考停止に陥る原因は
たぶん、日本の履修主義という価値観。

習ってないからできないのではなく
習ってなくても
考えて理解できるようになればいいのであって
理解できるようになるのであれば
学年は関係ありません。
ある意味、これが習得主義。

 

 

問題その3。
生活の中に学びがなく
学びが生活にフィードバックされていないこと。

 

ちなみに先進国の学力観は
「思考力中心で、社会に出て実際に使える能力中心」
であり
「知識や技能は一生を通じて学ぶもの」
とされています。

PISA調査で計られる学力も
「これまでに身に付けてきた知識や技能を、
 実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるか」
です。

ですから
「子どもが10人います。
 一人何匹さばけばいいでしょう?」
というような問題を
真剣に考えることは
非常に重要なのです。

ということで
今朝、小学校1年生のおとちゃんに
こんな同じような問題を出してみました。

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「おとちゃん、イチゴが30個あります。
 お友達が10人います。
 さぁ、一人何個食べれるでしょう?」

 

おとちゃん、即座に

「おとちゃんは、その10人に入っと―と?」

 

「(笑)入ってるよ」

 

さすがおとちゃん。
単なる算数でなく

生活レベルでリアリティをもって考えてる(笑)

 

「う~んと、3個!」

 

「正解、割り算習ってないでしょ?
 どうやって考えたの?」

 

「10人並んで
 1個ずつ配っていったら
 3回配ったらなくなるよ」

 

「じゃぁ、33個だったら
 どうする?」

「う~んと、3つあまるから
 先生と、校長先生と、教頭先生にあげる。
 先生はくいしんぼうだから太ってるんだって」

 

 

「(笑)じゃぁ、イチゴが10個あって
 パパとママとおとちゃんととらちゃんで分けるとしたら
 一人何個ずつ?」

「それはおとちゃんととらちゃんが3つずつで
 パパとママが2つずつやろ」

「(笑)そうやね」

 

それをずっと聞いていたとらが

「ちがうよ。ねぇねととらくんが4つずつで
 パパとママは1つずつやろう」

とら、ようわかっとーね。

第1期熊本大人塾、最終回

第1期熊本大人塾、最終回。

「感動セミナーの創り方」
をメインテーマに
皆さんの悩みを解決したり、
リクエストに応えるというスタイルでstart。

 

出てきたお悩み、リクエストは…

  • お金をかけずにできる新規事業は?
  • 自分の仕事に周囲の理解が得られないのですが…
  • スタッフのモチベーションを高める方法は?
  • 同僚の温度差をどう埋めるか?
  • セミナーを実施するのですが留意すべき点は?

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皆さんの期待に
120%応えれたのではないかと思います。

我ながらいい時間でした。

 

そして、熊本大人塾参加者の皆さんへの感謝。

21:00からは懇親会へ。

めっちゃ、盛り上がりました。

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熊本大人塾、2期もやります!

www.goshisato1973.info

空中ヨガ初体験

12:50に福岡を出発し
高速を飛ばし
15:00前に熊本着。

 

次は、熊本大人塾を主催してくれている
かいさん、村上さんへの感謝の気持ちを込めて
空中ヨガ(笑)。

 

ゴーシ先生
結構プライド高いので
「初体験」とか
「できない姿」とか
「無様な姿」を
あまり人に見られたくないのです(笑)。

 

空中ということで
スパイダーマンになってみました。

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でも、やってみたら
結構できた(笑)

 

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ホテルにチェックインし
少し休憩して、熊本大人塾へ。

 

ゴーシ先生の「お魚さばきかた講座」

3/28(火)、29(水)は
ゴーシ先生のお客様感謝デー。

 

この1年、お世話になった方々に
感謝の気持ちを込め
精一杯、喜んでもらおう
楽しんでもらう2日間。

 

そのために、年休とりました(笑)。

 

まずは、中井さん、ママ塾メンバーへの感謝。
中井さんからの依頼を受け
「お魚さばきかた講座」を実施。

 

そのため、まず8:30に
魚を調達に「志摩の四季」へ。

前日は、凪いでいたので
魚はあるだろうと期待していたら
全然、ナシ。

聞けば、翌日が慰安旅行で、それに備え
出荷や余った魚を回収する余裕がないのだとか。

 

それでも、
サワラ、ヤズ、イサキ、カワハギ、
甲イカ、タコ、アジ、等々
ありったけの魚を購入。

 

9:30から仕込みを開始し
10:30から「魚さばき教室」start。

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参加者の感想。

 

ゴーシ先生による、お魚の捌きかた講座に
息子たちと参加してきました。

興味津々の次男
渋々参加の長男。

ふたりとも、佐藤 剛史先生の手元に釘付け。

時間の都合上
子どもたちが包丁を触る時間は短めでしたが、
次々と捌かれてく魚たちを見るのは
面白かった様子。

なにより、2人は魚が大好き。
だって漁師の孫で曽孫…

それなのに
捌くのめんどくさがって
覚えようともしておらず
(魚関係はオットの担当)

罪悪感はあったんだろな。

この講座知った時、参加したい!させたい!
って思ったもん。

魚捌きに苦戦しながら
ココロの中で亡き父にも謝っときました。

完成した海鮮丼は、
各自、お好みのトッピングでいただいて。
あら炊きもとっても美味しかったです。

今夜は、イサキのお刺身に挑戦。
見た目は不恰好だったけど、甘みがあるお魚で
あっというまに、なくなりました。

今までは
買うのは切り身やお刺身ばかり。
今回の参加をいいきっかけにして、
今度、何か手頃なサイズを一尾選んでみます。

参加できてよかったー(๑′ᴗ‵๑)

 

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「魚さばき方講座」へ、親子で参加してきました♪

ゴーシ先生の捌きっぷり、
そして子ども達の眼差しが印象的でした( *´艸`)

まーやはコウイカの処理が1番楽しかったようで、
「今日頑張った証だから、絶対に拭かない!」
と、ほっぺに付いたイカスミを誇らしげに見ていました♡


お腹も
心も満たされた1日でした♡

 

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春休み特別イベント「お魚捌き方講座」を
開催しました。

ママ塾でお世話になっている
九大の佐藤剛史先生は糸島在住で
海鮮丼屋さんのオーナーでもあります。

 

お魚の扱いはプロ級。

 

という事で、講師をお願いしました。

 

糸島で採れるお魚を使っているから
サーモンやマグロはありません。

「とれないんだー!」というこども達。

スーパーには並んでいるもんね。

 

地域によってとれるお魚が違うことを
体感出来たかな。

 

サワラやタコ、ヤズ、アジ、イカ、イサキ、カワハギなどの新鮮なお魚を刺身にしていきます。

恐る恐る 刺身をひいていくこども達。

お魚によって、ひき方が違うことを
教えてもらうこどもとお母さん達。

 

ヤズの内臓に、びっくりしたり
イカの墨まみれになったりと苦戦。

そんな中、テキパキと刺身にしていく
ゴーシ先生を前のめりに見つめるこども達。

 

ただ見つめるだけなんだけど、この経験が
実はとても大切なんです。

 

自分達が体験して、難しかったことや
出来なかったことを大人が簡単にやっていく
姿は、こども達にとっては憧れです。

大人だからと威張らなくても、
力で抑えなくても
こども達は、大人かっこいい!と自然と
リスペクトしていきます。

 

そして、自分達で捌いたお魚を海鮮丼にして
いただきました。

新鮮なお魚に、おかわり続出(笑)

この贅沢海鮮丼とアラ汁と
ブリカマ

ゴーシ先生曰く
飲食店で食べたら 3500円くらいらしい。

参加費を考えると、
ゴーシ先生に申し訳ないくらい(涙)

でも、おかげさまで
プライスレスな体験と美味しいご飯の
時間がもてました。

 

こども達にも、お母さん達にも春休みの
いい体験になったと思います。

 

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気が付けば、12:30。


まずい!

熊本に出発しないと
次のアポイントに間に合わない!!!

「できるようになる」学力論

www.goshisato1973.info

にむけ、猛勉強しています。
本を読みまくっています。

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この間、すごく勉強になったこと。

 

フィンランドPISA調査で学力世界一ですが
教育から「競争」を撤廃しました。

具体的には、
1985年に「習熟度別学習(編成授業)」を廃止し、「異質生徒集団」方式を採用しました。

習熟度別学習とは
簡単に言えば、
「できる子」「できない子」を分けて
それに応じて、授業をする方法です。

一見、効率的に見えます。

しかし、イギリスでは
1988年に競争原理を導入した教育改革が行われましたが
国全体の学力レベルは向上しなかったそうです。

教育に競争原理を導入した結果は
「格差」しか生じなかったそうです。

フィンランドの教育の目標は
「一人の落ちこぼれも出さず、国民全体の教育水準を引き上げること」
です。

一握りのエリートが企業、経済、国を動かす時代は終わりました。
21世紀の教育の大きなテーマは「平等性」です。

皆が等しく学力を身につけることが重要なのです。

 

では、その学力とは何なのかが問われますが
それはまた別の機会に。

 

フィンランドでは
「個」を大切にする平等な教育が行われています。
個性、多様性が尊重されています。
一人一人の発達を支援し、
誰もがいつでも学べる学校教育制度が整えられています。

 

で。

 

日本で
「個性、多様性を尊重する教育」
というと
「できなくてもいい」
「できないのも個性」
「できないのを認めるのが多様性」
みたいなコトをいう人がいますが
学力世界一の
フィンランドの教育哲学、経験からすれば
その考え方は間違いです。

 

前述のように、フィンランドでは
「一人の落ちこぼれも出さず、国民全体の教育水準を引き上げること」
を目標にし、制度設計され、教育が行われています。

 

例えば、具体的には

  • 異質集団教育で、1クラス25人が基本。
  • 授業は完全な個別指導。それぞれに応じた課題に各自取り組みます。
  • グループ学習も積極的に行われます。
  •  「調査と評価」は学校改善を支援するためのツールとして用いられます。
  • さらに 評価は自己評価を重視しています。
  • 遅れがある子どもにはすぐに補充学習が行わます。
  • 「修得主義」なので、留年があります。(日本は「履修主義」)

言い方を変えれば、平等教育とは、
「等しくすべての子どもが理解すること」なのです。
留年してでも
子どもは基礎学力を身につけることが重要なのです。

 

ただし、
身につける基礎学力のレベルは「標準」ではなく
「達成される成績のミニマム」です。

 

最低限ここまではできるようになろうという
基礎学力があり、土台を公平に確保し、
その先に多様な学びが保障されているのです。

 

「できるようになる」が重要なのです。
「できなくてもいい」ではありません。
「できない」言い訳として、
「個性」とか「多様性」なんて言ってはいけません。