食育研究家。九州大学講師/1973年、大分県生まれ。農学博士。/(コロナ前までは)年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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「叱ることができない親」問題

立場上、仕事上、いろんな親、子ども、親子を見ているけど
「子どもを叱らない、叱ることができない親」
は確実に存在する。

例えば、子どもがお友達を蹴ったりしているのに
親がそれを黙ってみている。
表面上は子どもの問題であるが
むしろ、親の問題なのだと思う。

 

「子どもを叱ることができない親の心理と特徴」
について考えてみる。


「叱れない親」というと
単なる甘やかしや無責任さとして語られがちだ。
しかし実際には、
その背景には親自身の生育歴、価値観、不安、疲弊、子どもの特性への対応困難など、複雑な事情が存在していると思う。
また、「叱る」は、「怒る」とは違う。
「叱る」は、単に怒鳴ることではない。
本来は、社会のルールや他者への配慮を教え、
子どもの行動を修正するための関わりである。
その役割を果たせなくなると、
家庭内だけでなく、
学校や地域社会との摩擦にもつながる。

 

1.親自身が叱られた経験がなく、叱り方がわからない
幼少期から「自由に育てる」方針の家庭で育った親は、そもそも「叱る」という経験モデルを持っていない場合がある。
例えば、悪いことをしても親が注意しない、「個性だから」と受け流される、家庭内でルールが曖昧、親子が友達のような関係、といった環境で育つと、「どこで止めるべきか」が感覚として身についていない。
そのため、自分が親になった時、「どの程度注意すればいいのかわからない」「厳しく言うと虐待になる気がする」「そもそも、何が“叱るべきこと”なのかわからない」
という状態になりやすい。

 

2.親自身がひどく叱られた経験がトラウマになっている
逆に、過度に厳しい家庭で育った親も、「叱ること」ができなくなることがある。
特に、「怒鳴られる」「人格否定される」「長時間説教される」「暴力を伴う」「恥をかかされる」、などの経験が強い場合、「叱る」という行為自体に恐怖や嫌悪感を持つ。
そのため、自分が子どもを叱ろうとすると、自分が怒鳴られていた記憶、怖かった感情、無力感がよみがえり、フラッシュバックのような状態になる。
すると、「自分は親みたいになりたくない」「子どもに同じ思いをさせたくない」
という気持ちが強くなり、必要な注意まで避けるようになる。

 

3.「叱らないこと」が良い親だと思っている
近年、「自己肯定感を育てる」「否定しない子育て」といった考え方が広まり、“叱らない育児”が理想のように受け取られることがある。
しかし、本来の「叱らない育児」は、「感情的に怒鳴らない」「暴力を使わない」「子どもの人格を否定しない」という意味であり、「何をしても注意しない」という意味ではない。
ところが、一部ではそれが極端に解釈され、「叱る=悪いこと」「注意すると自己肯定感が下がる」と思い込んでいる。

 

4.子どもの激しい反応を恐れて叱れない
発達特性や感覚過敏、衝動性の強い子どもの場合、注意されたことで感情が爆発し、「パニックになる」「泣き叫ぶ」「物を投げる」「自傷行為をする」「外へ飛び出す」などの行動を取ることがある。
親は何度もそれを経験するうちに、「叱るともっと大変になる」「今ここで爆発されるくらいなら、見逃した方が楽」という学習をしてしまう。
これは“甘やかし”というより、“疲弊による回避”に近い。


5.親の自己肯定感が低く、自信を持ってしつけできない
自己肯定感が低い親は、「自分の言うことなんて、正しいのか」「嫌われたくない」「自分は良い親じゃない」という不安を強く抱えやすい。
そのため、子どもに対して境界線を引くことが苦手になる。
叱るという行為には、相手に不快感を与える、一時的に反発される、嫌われる可能性がある、という要素が含まれる。
自分に自信がない親ほど、それに耐えられない。


6.「自分の子どもが第一」で、他人への配慮ができない
一部には、「うちの子さえ幸せならいい」という価値観が強く、他者視点が弱いケースもある。
これは愛情が強すぎるあまり、子どもの要求を最優先する、子どもを被害者として見る、他人の迷惑より我が子の感情を優先する、という状態になっている。
その結果、問題行動があっても、「まだ子どもだから」「周りが理解すべき」と考え、叱らない。

 

7.「叱っても変わらない」と諦めている
長年注意しても改善が見られなかった場合、親が無力感を抱き、「もう何を言っても無駄だ」と諦めてしまうことがある。
特に、発達特性、不登校、反抗挑戦的な態度、家庭内暴力、思春期の強い反発などが続くと、親は精神的に消耗する。
最初は真剣に向き合っていた親でも、何年も報われない状態が続けば、徐々にエネルギーを失っていく。

 

まとめ
子どもを叱れない親の背景には、生育歴、トラウマ、現代的価値観、発達特性への対応困難、自己肯定感の低さ、過保護、無力感や疲弊など、多様な要因が絡み合っている。
そして重要なのは、「叱る/叱らない」の二択ではない。
本来必要なのは、感情的に怒鳴らない、しかし境界線は示す、他者への配慮を教える、子どもの将来のために必要なルールを伝える、という、“穏やかだが一貫性のある関わり”。
また、叱れない親自身も、支援を必要としているケースが少なくない。

(上記文章をAIで生成)

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