食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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大学の教員になりたい問題②

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大学の先生って
ちょっと前まで
すごくいい仕事だったと思います。

 

まず、自分のやりたいこと(調査、研究)やって
給料もらえる。

 

時間も基本、自由です。

 

ただ、裁量労働制なので
いくら働いても
給料は変わりません。

 

 

また、研究のために必要なモノは
研究費で買えます。

私自身も
若い頃は、PCやデジカメ、ICレコーダーなど
ほぼすべて研究費で購入していました。

 

実際、今でも
「PCを自腹で買ったことがない」
という大学の先生は
そうとういるんじゃないでしょうか。

 

私の場合は、
手続きが面倒なので
すべて自費で購入しています。

 

余談。
以前、ある大学で、教授が講義中
アダルトサイトをプロジェクターに投影してしまう
という事故が起きました。
ネット上で話題になり
学内でも問題化されました。
で、どうなったかというと
二度と同じ問題が起きないように
公費で買ったノートPCやタブレット
学外に持ち出す場合には
月に一度、書類を作成し、提出しなければならない
というきまりができました。
ちなみに、そのきまりは、現在でも運用されています。

 

しかし、これは以前の話です。

 

今はどうかと言うと
まず、公費が大幅に削減されています。
当然、大学によって差はありますが
ある大学は
高校生のお小遣い程度です(笑)。

 

基本、研究費は
自分で
科研費をはじめとした)
競争的資金を獲得してこい
というスタンス。

 

だから、格差が激しくなります。

 

競争的資金を獲得できた人は
それで研究できて、論文書いて
学会で認められて
また競争的資金を獲得しやすくなる。

 

一方で、競争的資金を獲得できない人は
調査さえ行けない。

 

大学としては
競争的資金を獲得させるために
科研費の申請をマストにします。
申請しなければ
公費を削減するというペナルティを作ります。

 

その他、
シラバスを英語化しなさい
でなければペナルティですよ、とか。

 

雀の涙ほどの公費が
削減されます。

 

雑務や事務作業は
増える一方です。

 

例えば、メールに関してだけでも。

サラリーマンの
ビジネスメール1日の平均通数は
受信は約39通です。

大学教員はその数倍はあります。

全学のメーリングリスト
学部のメーリングリスト
学科のメーリングリスト
研究室のメーリングリスト

 

一般企業の場合
効率化、合理化が図られますが
大学の場合
「とりあえず情報が来たら
 メーリングリストに流しとけ」
「逆に、情報を流してなかったら
 問題になる」
という意識なので
メールの数がものすごい量になるのです。

 

しかも、私の場合
2つの学部を兼任しているので
その数が単純に2倍になります。

 

 

同じように
なんちゃら委員会や
なんちゃらのための手続き
が膨大です。

 

大学という組織は
問題が起きないように
逆に問題が起きた場合
その責任をとらないでいいように
するための力学が働きます。


例えば、
1ヶ月に一度
自分自身の心身の健康状態を
申告しなければなりません。
どの先生も面倒なので
「問題なし」
と提出します。
場合によっては、
事務に任せてしまっている
先生もいます。

これは大学として
教員の健康状態を心から心配している
ということではなくて
例えば、教員が自殺したりとかして
大学が訴えられたときに
「ちゃんと健康状態は把握していましたよ。
 申告があれば、適切な対処をする
 体制を整えていましたよ」
とするための仕組みだと思うのです。

いずれにせよ
形骸化していて
でも、その書類の作成、提出が
毎月一回、全教員に課されます。

 

そんなことがヤマほどあるのです。

 

大学という組織は
問題が起きないように
逆に問題が起きた場合
その責任をとらないでいいように
するための力学が働きます。

つまり、
ビルドは増える一方で
スクラップが全くありません。

まじめに
すべてのメールに目を通し
まじめに
すべての事務作業に対応していたら
研究なんてできないんじゃないかと思うほどです。

 

本気で研究したいなら
大学教員にはならないほうがいい(笑)。

 

一般企業、一般社会からすれば
「信じられない」
はずです。

しかも、その大学は
日本の最高学府で
トップレベルの叡智が集まっている組織なのです。

 

大学の先生になりたい
若者は、
どういう組織に属し
自分の命の時間を費やしますか?
ということが問われるのだと思います。

  

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