食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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人生初の質問に対して…

久留米での講演。

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講演終了後、司会者が
「せっかくですので、先生に質問があれば、
 挙手をお願いします」

 

この人数、この雰囲気なので
たぶん、質問はないな
と思っていたら
若い男性農家が挙手。

 

その質問がすごかった。

 

「先生のスライドショーを見ていたら
 お母さんは
 『この子を産むために生まれてきた』
 とまで思っているのに
 なぜ、ご飯を作らないとか
 あんなヒドイことができるようになるのでしょう?」

 

ゴーシ先生、
この質問、はじめて。
頭真っ白になりながら
必死で答えました。

 

 

命がけで
死ぬほど苦しい思いをして
わが子を産んだ母親は
その瞬間は
「私はこの子を産むために生まれてきた」
「私の命よりも大切」
と思うのは事実。

 

でも、現実としては
ネグレクトやDV、アビューズが起こるのも事実。

 

 

瞬間的にこう答えました。

 


【理由その①】
ヒトは、一人で子育てするようにできていません。
共同保育をすることができたから
ヒトはヒトとなることができました。

 

一人で育てようとするから
無理なのです。

 

母親だって
一人の人間
一人の女性です。
やりたいこともたくさんあります。
できないこともたくさんあります。

 

自分の時間、エネルギーすべて使って
最良の子育てをするなんて
なかなかできることではありません。

 

でも、そうすることが賢母、
しかも、「そうあるべき」
みないな価値観があります。
それが間違ってる。

 

だから、ストレスがたまるし
「自分はできてない」と悩むし
結果として
ネグレクトやDV、アビューズ
が起きます。

 

共同で子育てしながら
不安や悩みを分かち合ったり
愚痴をさらけ出したり
できないことを補い合ったり
そうすれば
そういう問題が起きる可能性は
減るのだろうと思います。

(文献によると、江戸時代までは
 誰の子どもか分からない子どもでも
 地域の子としてみんなが面倒を見ていました)

 


【理由その②】
食は手抜きがしやすいのです。
なぜなら、食欲があるから。

 

とりあえず
なんでも
食べさせておけば
食の欲求は満たすことができます。

 

「手作りじゃない!」
からって
子どもが
泣きじゃくることはありませんし
ハンガーストライキすることはありませんし。
むしろ
ファーストフードも
コンビニも
ファミレスもおいしいです。
お腹を満たすことはできます。

 

さらに言えば
お菓子だって
清涼飲料水だって
甘いし
カロリーは高いから
お腹を満たすことはできます。

 

その食べている姿を見て
親も、これでいいんだ、と思ってしまう。

 

だけど、それが繰り返されるうちに
お腹はいっぱいなのだけれど
心がひもじいという状態になるのです。

 


【理由その③】
人の心は移ろいやすいです。
現実に流されがちです。

 

例えば
「この人しかいない」
「この人を一生愛し続ける」
と思って結婚しても
その1/3は離婚する時代です。

 

あれ?
この例えは
共感を得られない?

 

でも、夫婦関係を続けようと思えば
努力が必要なのです。

 

それと同じ。

 

「ちょっとくらい、いいか」
「今日くらい、いいか」
と思いがちだし
いろんな、言い訳を探して
自分を正当化することも簡単です。

 

親自身が
自分はそうした弱さがあるということを自覚すること。
だから
学んで、努力する必要があるのだと思います。

 


なんてことを
アドリブで語り
3点にまとめたところなんて
我ながらスゴイと思いました(笑)