食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


official web: http://goshisato1973.com/


佐藤剛史の著作一覧


佐藤剛史への講演依頼

講演依頼フォームはコチラ


佐藤剛史の講演のサンプル動画


佐藤剛史への連絡は→goshisato1973@gmail.com

友だち追加

山極壽一先生特別講演レポート、その⑤

なぜ乳歯のうちに離乳してしまうのか?

 

それは人間は熱帯雨林から
サバンナに出たことに起因する。
直立二足歩行は人類の最も初期の特徴であるが
それは、長距離、食物をもって歩くことを可能にした。

 

しかし、サバンナに出たことによって
大型の肉食獣に襲われるリスクが高まった。
特に幼児が狙われる。
弱くて、しかもおいしい。
初期の人類は
肉食獣に幼児を狙われた。

 

そこで、多産になる必要があった。
多産の方法は二つある。
一つは、イノシシのように、一度にたくさん産む方法。
もう一つは、シカのように毎年生む方法。

 

人間は、進化の過程で
一回の出産で一人の子ども産むという選択をした。

出産や育児に長い時間と手間がかかるため、
一回の出産で多く生まれてしまうと
親の負担が大きくなって、生き残りが困難になる。
そのため、一回に一人しか生めない固体が生き残ったと考えられる。

 

毎年生むためには
離乳しプロラクチンを抑制する必要がある。
授乳をやめプロラクチンの分泌が止まれば
排卵ができるようになり
赤ちゃんが産めるようになる。


なぜ重い赤ちゃんを産むのか?

 

人間の赤ちゃんの重い部分は脂肪。
体脂肪率は、15~25%もある。
ゴリラの赤ちゃんの体脂肪率は5%。

 

f:id:kab-log:20180129133021j:plain

 

この脂肪は、脳の成長を助けるためにある。
人間の赤ちゃんは
1年で脳は2倍になる。
赤ちゃんの脳の骨が開いているのは
急激な発達を助けるため。
5歳で大人の90%にまで達し
12~15歳で完成する。

f:id:kab-log:20150126110502j:plain

 

人間は、直立二足歩行を行うために、
骨盤の形が変わってしまった。
大きな脳の赤ちゃんを産むことができなくなった。

 

赤ちゃんは、
接種エネルギーの40~85%を脳の発育に回す。
脂肪はエネルギーを十分に摂取できない場合の
予備のため。

 

思春期スパートとは?

 

子どもの成長速度と経年変化を見ると
生まれてから3歳くらいまでの間の
成長速度(成長率)が著しい。

それがスピードが落ち
再び、思春期に急激に伸びる。

f:id:kab-log:20180129133306j:plain

 

このことを「思春期スパート」という。
脳の成長に身体の成長が追いつく時期。
女子では、12~18歳。
男子では、14~21歳。
女子のほうが2年くらい早い。

 

ちなみに、
年齢別死亡率を見てみると
生後すぐは死亡率が高く
思春期に入ると
再び高まる。

f:id:kab-log:20180129133327j:plain

 

これは思春期を迎え
親元を離れて
自由に活動を開始するから。

 

こういう特性は時代を超えても変わらない。
文化を超えても変わらない。

 

つづきは、その⑥へ↓

www.goshisato1973.info