食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


official web: http://goshisato1973.com/


佐藤剛史の著作一覧


佐藤剛史への講演依頼

講演依頼フォームはコチラ


佐藤剛史の講演のサンプル動画


佐藤剛史への連絡は→goshisato1973@gmail.com

友だち追加

「これからの社会を創る子どもたちの学力と教育を考える」レポート②

14:00~ 【WORK2】

「話題提供」

f:id:kab-log:20170402093911j:plain

 

<大畑先生>

  • これまでの教育は「北極星」を指し示し、そこに向かわせておけばよかった。
  • これからの教育は子どもたちに「コンパス」を持たせる必要がある。
  • 「いかに生きるか」が重要になった。
  • そのためのロールモデルが必要なのに、欠落している。
  • 子どもたちの3割しか、地元に戻ってこない。
  • グローバル人材の養成は必要だけど、ローカルを守る人材も必要。
  • なぜ戻ってこないのか?→「遊ぶところがない」「楽しめてない」「不便」
  • 地域で活き活きと暮らしている大人の生き方を見せる。対話させる。
  • そのことを通じて「自分のこととして考える」。
  • 島根県益田市では「ライフキャリア教育」を実践している。

f:id:kab-log:20170402095022j:plain

<佐藤コメント>

  • 地方創生、移住に必要なのは「イエ」「カネ(仕事)」「教育」。
  • なぜ、都市に人が集まるかは、仕事があるから。
  • 田舎で生きていくには創業、起業する力が必要。
  • しかし、現在の教育はサラリーマン養殖になっている。

 

<福田先生>

  • 小学校1年生の担任は、全体(学校、家庭、等々)が見える。
  • AIの発達。しかし、AIは処理する力。
  • 人にはクリエイティビティがある。感性がある。
  • 自発性、自己目標、自己実現が重要。
  • 「文字」を早期教育しても、文字力は9月には同じになっている。
  • 遊んでいるかどうかがクリエイティビティの差になる。
  • その意味で、コミュニケーションのある遊びが重要、特に昔遊びはいい。
  • 段取りできない子ども。バランスが悪い。inputに偏りすぎている。outputとのバランス。
  • 勉強とは、学歴ではなく脳のトレーニング。
  • 「競争」ではなく「共創」が子どもの力を伸ばす。

f:id:kab-log:20170402100109j:plain

<稲益先生>

  • 「わからない」「教えて」と言えない子どもが増えている。
  • 答えを丸写しして提出する子どもがいる。
  • 思考停止になっている子どももいる。
  • 「意味わからん」「めんどくさい」で思考停止。
  • 子どもたちの目の前に提示されるのは完成型ばかりだからでは?
  • 「できない」から「動かない」「動けない」。
  • そしてやる気がはぎ落されていく。
  • 授業を静かに座って時を過ごす子ども。
  • 学校の授業はショーになっていないか?
  • 誰のための授業なのか。
  • できるようになるというプロセスが重要。
  • 不便さが力をはぐくむのでは?
  • やりたいときにやらせていない。

f:id:kab-log:20170402101114j:plain

 

<田上先生>

  • まずい料理を提供し、客が文句を言っているのに、それを改めないような教師。
  • 一流のスポーツ選手がいるように、一流の先生がいるはず。
  • 全国の先生を見て回った。
  • 「英語プレゼン」「夢プレゼン」「ミニレクリ」「立候補ジャンケン」。
  • 学校、教室は楽しい場所。
  • やる気を出してOK。それは素晴らしいことだという雰囲気づくり。
  • 英語を学ぶこと自体は、しょせんスキル学習。
  • そのあとに何ができるか、どんなパフォーマンスができるかが大事。
  • 未来につながっていないと意味がない。

f:id:kab-log:20170402101710j:plain

 

<比良松先生>

  • 「失敗から学ぶ」
  • 「人の中にある悪魔と天使」
  • 道徳性は遺伝する。
  • 脳科学的に見た学ぶ意味。
  • リーダーの条件「ビジョン」「共感」「実行」「積極性」「慎重さ」。
  • それをすべて兼ね備えている人は少ない。
  • チームが大事、多様性が大事。

f:id:kab-log:20170402102042j:plain

比良松先生からの補足memo。

脳科学的に学ぶ意味で補足です。

私の考えは、
泰三先生の
「勉強とは、学歴ではなく脳のトレーニング」
が近いように思います。

剛史先生がいつか取り上げていた、
認知バイアスや確証バイアスのような、
脳の思い込みは、
まさに、システム1の弱点です。

そのバイアスに陥って、
社会が不幸にならないようにするために、
システム2を使って、
エネルギーを使い、
時間をかけて理性的に考えること。

(確か、「動的平衡」の著者、
福岡伸一さんも同じようなことを述べていたと思います。)

それが学ぶ意味だと考えています。

学校の先生たちに是非読んでいただきたいのは、
ダニエル・カーネマンの「ファスト・アンド・スロー」です。

人間の道徳性の進化について用いた
ジョナサン・ハイトの
「社会はなぜ左と右にわかれるのか―
 ―対立を超えるための道徳心理学」
では、カーネマンの言うシステム1と2を、
象と象使いに例えてわかりやすく説明されています。

道徳性の進化と未来への提言としては、
最近日本語訳されたジョシュア・グリーンの
「モラル・トライブズ」が面白いです。

 

会の最後の方で議論した幸福感については、
ハイトの「幸せ仮説」や
カーネマンのTEDトーク「経験と記憶の謎」が参考になるかと思います。

 

(つづく)