大漁のブリが水揚げされる。
でも数は少ないし、値段が安いという。
漁に出ても赤字になる。
「じゃぁ、出なけりゃいいじゃん」
という訳にはいかない。
社員(乗り子、選り子、ドライバー、等々)の給与を払わなければならない。
これが経営者の責任だ。
だから、赤字覚悟で海に出る。
身を切る覚悟で海に出る。
経営者は、社員の生活、人生を守らなければならないのだ。
だから一匹でも多くあげなければならない。
中型巻き網船団の共進丸は
1日の漁で5万匹のブリをあげる日もあるという。
魚の単価が安い。
一匹でも多くあげなければならない。
少し小さい魚でもあげる。
大きい魚がとれなくなる。
だから単価が下がる。
という悪循環に陥っている。
漁師が、資源を奪い合い、
それに安い物好きの消費者が荷担して
みんなでみんなの首を絞めている状態だ。
命がけの戦争のような巻き網漁に比べ
芦北のうたせ船は、のんびりしている。
風が強ければ漁に出ない。
風がなければ漁はできない。
風がよければ
けたうたせ(底引き網)を15個投入できるけど
風が弱ければ
けたうたせ(底引き網)は3個しか投入できない。
多く入れすぎると
船が動かなくなる(笑)。
すべて風まかせ。
だから資源が守られる。
自然界の中で持続的に生活するには
自然界のルールに則って生活すべきなのだろう。
問題は、やっぱり魚が安いこと。
持続的な資源管理ができている
うたせ船の一番の問題は
儲からないから後継者がいないこと。