食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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命に対する優しさと暴力性に関する一考察

今日は、『ももち浜S特報ライブ』
生放送、生出演。

 

ニュースの一つは
最近、福岡市でおきている
ネコ虐待事件。

 

www.nishinippon.co.jp

 

 

コメント受けはなかったものの
すごくいろいろと
考えさせられてしまいました。

 

というのは
昨日の「事件」があったからです。

 

 

昨日、
「くりのきcafe」openのための
マルキョウを訪れていると
ヨメから電話。


「○○を追加で買ってきて」
という内容かと思ったら


「カラスがピヨを連れ去った!」

 

聞けば
台所仕事をしていたら
コッコ母さんが騒ぐので
慌てて庭に出てみたら
黒いカラスが
白い何かを持ち去るのが見えたと言います。


パパ、動揺。

子どもたちにも、
一瞬で不安が広がります。

 

慌てて会計を済ませ
急いで帰宅。

 

やっぱり
チキントラクターの中には
ヒヨコは4羽しかいません。

 

いなくなったのは
「ピヨ」。
唯一の白い子で
とらじろうの一番のお気に入り。

 

f:id:kab-log:20180603080518j:plain

 

とらじろうは号泣。

 

チキントラクターを
調べたところ
破られた痕はないので
おそらく
地面との隙間から
勇敢なピヨが逃げ出し
(臆病なシマは絶対に
 そんなことはしない)
そこを、カラスに一気に狙われたのでしょう。

 

とらじろうと
話しながら
自分の中に沸き立ってくる
カラスに対する思い。
憎しみ。

 

でも、
「隙間を埋めていなかった」
という自分自身の負い目があったり
「でも、いつか自分が捌いたり、食べることになるんだし」
なんて
思いもあって
このときはまだ
根源の感情に向き合えていませんでした。

 

 

日が明けて今朝。
朝一で、
鶏をチキントラクターに入れ
庭を掃除していたら…


コッコ母さんが騒ぐので
見ると
カラスがまた、
チキントラクターの近くにやってきて
狙っています。

 

手に持っていた
ホウキで追い払い
次に来るといけないので
部屋に
強力パチンコをとりにいき。
(登校中、サルが出没するので、
 威嚇のため購入)

 

f:id:kab-log:20180604210436j:plain

 

そのときの
感情は
脅しのためなのか
万一、当たって
カラスがケガをして
でも
「あの家はマズイ」
と恐怖心を覚えてくれるのか
もしかしたら
カラスが死んでもいい
と覚悟していたのか
よく分かりません。

 

…。

 

 

そして
ももち浜S報道ライブ』。

 

ネコ虐待のニュースを聞きながら
「ひどいことする人間がいるな」
なんて単純に思っていました。

 

でも
「この野良ネコが、うちのピヨを食べたらどうだろう?」
と思い直すと
犯人のように
ナイフは持ち出さないにしても
パチンコくらいは
持ち出していたはず。

 

 

 

こういうことを
よく考えていくと
人間には共感能力や
思いやる力が備わっていて
だからこそ
その反作用で
その大切にしていたものが奪われると
憎しみや憎悪が生まれます。


そして
子どもたちのほうが
その感情は
シンプルです。

 


例えば
小1のとらじろうが
大切にしていたピヨを
カラスに持っていかれて
動揺もせず
「自然界ってそういうもんだよね」
なんて言っていたら
かなりコワイです。

 

としたときに
「犯人を見つけ出して殺そう」
と言っている
子どもに対して
大人である私たちは
どんな理論と言葉を持っていますか?


その理論と言葉には
説得力がありますか?
説得力の裏付けとなる
経験がありますか?

 

共感力を身につける。
思いやる力を身につける。

命を慈しむ体験をする。

 

でも、そうすると
反作用として
怒りや憎しみも生まれてくる。

 

それをコントロールするのが
理性であり
その理性を作るのが経験。 

 

 

その経験が
現代の大人にも決定的に足りないのかも。