食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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かかりつけ農家を創ろう、辻養蜂場②

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26歳。今年で27歳。
就農して4年目。

大手の養蜂場で3年間修業。
のれん分けしてもらって
嘉麻市に帰ってきて
一からスタート。

 

蜜蜂は
匹では
数えず、群で数える。

 

採蜜用が150群。
蜂育てる用が80群。
規模はそこそこ。
一人でやるにはピーク。

 

育てているのは、セイヨウミツバチ。
ニホンミツバチではない。
系統的には似ているが…

イノシシとブタみたいなもの。
ノホンミツバチがイノシシ。
イノシシは最近
ジビエ料理として人気があるが
誰も、イノシシを養殖してない。

要するに
ブタは人間が飼いやすいように
改良されている。

ハチも同じで
人がギリシア時代から
ローマ半島のほうで
2000~3000年かけて
人間が飼いやすいように
品種交配された超エリートが
セイヨウミツバチ。

 

経済的に見れば
商業的に成立するのが
セイヨウミツバチだけ。
ニホンミツバチでも
蜜はとれるが
それだけで食べていくことは
相当、難しい。
まず、量がとれない。

 

性格も違う。
セイヨウミツバチは
煙をかけるとおとなしくなって
その間に蜜をとることができるけど
ニホンミツバチ
逃げてしまって帰ってこなくなる。

野焼きでもだめ。

ドクダミを口に含んで
吹きかけると
ニホンミツバチはおとなしくなるという説はあるが
じゃぁ、ずーっと
ドクダミを口に含んでおくのか
ということ。

 

 

福岡で
4月10~15日くらいから
レンゲの採蜜がスタート。
5月の10日くらいに
レンゲのすき込み(田おこし)が始まるので
レンゲのはちみつ採りは終了。

 

5月20日くらいから
いろんな花のはちみつが取れ始める。
すごくいっぱい採れる。

1回、はちみつを採ると
次は10日後くらいにいっぱいになる。
10日後にはちみつを採って
を繰り返し。

 

はちみつを採る場所を
7か所持っているので
1日で2,3か所を取って
それを数日やって
その10日後にまたはちみつ採りの繰り返し。

 

6月10日くらいまでの約2か月で
はちみつ採りのシーズン終了。

 

昨年は4000kg採れた。

 

6月にはちみつ採り終了。

 

次に、蜂を増やす作業に入る。

箱は2段になっていて
巣が15、16枚入って
そこにみっちり蜂が詰まっている。

それを、4~5分割して
空の箱に分ける。

女王バチは
一箱一匹しかいないので
新しい箱には
当然、女王バチがいない。
そこで人工的に
女王バチを作り
女王バチがいない箱に
いれてあげる。

 

こうして箱を増やす。

 

150箱を500箱にして
翌年用に、150箱を手元に残し
残りは同業者に販売する。

 

 

7月初旬。
箱をそのまま、その場に
おいていたら
稲の農薬で死んでしまう。
そこで、全部、
田んぼがない山の上に
非難させる。

 

その避難場所として
大分の中津江村等に
数か所場所を借りていて
2時間かけてそこに持っていく。

 

エサヤリ等、管理があり
8月中ごろになると
スズメバチが襲来する。

スズメバチ2、3匹で
1時間ちょいで
一箱が全滅する。

そこで、スズメバチの捕獲機を仕掛けたり
粘着シートで叩いて殺したりする。

 

 

10月中頃、
寒さにも弱いので
10℃を下回ると
すぐに麓に持って帰る。

そこで、同業者に販売。
1郡単位で売る。
一箱に数枚入っていて
1枚2000匹住んでいる。

1枚4500円、4枚で18000円。

 

冬越しをして
2月くらいが、
また出荷のピーク。
そうすると値段が1.5倍になる。

ただし、冬越しするのが難しいので
どっちで売るかが試される。
ローリスク、ローリターンか
ハイリスク、ハイリターンか。


あるハチが
レンゲのハチミツを採取すると
ミツバチダンスで
仲間のハチに距離と方向を教える。
そうすると
皆、レンゲを取りに行くようになるので
結局、レンゲのハチミツになる。

百花蜜は
特定の花が
沢山咲いている時期ではなく
山にいろんな花が咲いている時期。

これは福岡の話で
青森に行けば
リンゴの蜜が採れる時期がある。
アカシヤが採れる時期がある。
マロニエが採れる時期がある。
北海道でクローバー
阿寒湖で菩提樹が採れる時期がある。

その時期を見計らって
日本中を回って蜜をとる人がいる。
移動養蜂という。
量もとれるし、質も多様になるので
おそらく収入が、5、6倍になる。

では、なぜ、移動養蜂が難しいかというと
利権問題。
はちみつを採るための箱を置く権利は
億単位で売買されるレベル。

これは代々受け継がれる利権で
例えば、廃業したとなっても
新規就農者が簡単に買えるような話ではない。
コネクションが重要。

養蜂家になりたいのであれば
誰に弟子入りするかが
すごく重要。
自分の将来がほぼすべて、それで決まる。