食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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炎上覚悟の「給食指導のせいで不登校になりました」問題

前日は、ある市で
学校給食指導者研修会での講演。

 

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講演時間はわずか60分だったので
十分に語る時間がありません。


また、普通の食育講演会ではなく
学校給食の現場がある先生方なので
できるだけ先生方のリクエストに
実践的に応えたいと思い
冒頭の3分で
グループごとに
「現在の子どもの食の問題」
「今日、聞きたいこと」
について話し合ってもらい
各グループから
一つずつ発表してもらいました。

 

その結果
①偏食、小食
②家庭との連携
③よく噛むと時間内に食べるの両立
④食への感謝をどう育むか
等々、色々出てきたのですが
最も印象に残ったのは

 

「給食指導が原因で
 不登校になったと
 保護者から連絡がありました。

 どのように対応すればいいでしょう?」

 

①の「偏食、小食」の問題と絡め
丁寧にお答えしました。

 

まず、
好き嫌いはあって当然です。

 

本能的に
「苦い」「酸っぱい」は嫌いです。
私たちだって
初めてコーヒーを飲んだ時に
ブラックで
ガブガブ飲めたりした人なんて
いないはずです。

最初は
スティックシュガーを入れ
クリープを入れ
と甘~くしていて飲んだはずです。

と語っていたら
目の前の若い先生が「クリープ?」。

 

ジェネレーション・ギャップ!

 

お酒だってそうです。
初めてビールを飲み
「美味しい!」
なんて思った人はいなくて
甘~いピーチツリーフィズ美味しい
なんて思っていたはずです。

と語っていたら
目の前の若い先生が「ピーチツリーフィズ?」。

 

ジェネレーション・ギャップ!

 

講演にならん!!(笑)

 

 

私たちが
コーヒーを美味しいと思えるのも
ビールを美味しいと思えるのも
「これは美味しい」と思い込んだ
ある意味
教育、学習の成果です。

例えば
春の七草のセリは
 すこし香りが強いけど
 これが美味しいのよ。
 これを食べれば一年健康に暮らせるのよ」
と教育していくのが
味覚の形成、脳の形成なのです。

 

じゃぁ、
好き嫌いがあって当然だから
食べさせなくていいか
とそういうことではありません。

 

臨界期仮説というものがあります。
モンテッソーリでいうと敏感期。

 

ある能力を習得するためには
適切な年齢までに
適切な刺激を脳に与えなければならない
という説です。

 

言語からスタートした説ですが
動物で実証されています。

www.petjpr.com

 

味覚も9歳ぐらいで
完成するといいます。
つまり、それ以降は
その味さえ分からなくなる。

 

とすれば
9歳までに
嫌いでも
その味を味あわせる必要があります。

 

それが
「美味しい」
と思えるかどうかは
その後、どうにでもなります。
(私たちがビールを美味しいと思うように)

 

ということで
好き嫌いはあって当然だけど
その味覚を感じ
どう判断していくかを成長させるのが
教育なのです。

 

では
なぜ、子どもの偏食・少食が生まれるか
といえば
完全に親の問題です。
子どもの問題ではありません。

 

www.goshisato1973.info

 

親が先回りしすぎ。
子どもに迎合しすぎです。
「この子はお米を食べないからパンにしてあげよう」
「少食だからお菓子を準備しておこう」
とか。

 

そんな家の子は
いつでもスナック菓子、チョコレート菓子を食べ
ジュースを飲み
「お腹いっぱい」と
ご飯を食べず
夜、お腹が減ったからと…
の繰り返し。

 

そうしたら、子どもも
それに慣れて
偏食・少食になるわ!

 

給食を食べ残しても
16時に家に帰れば
お菓子やジュースも
いくらでも食べれると思えば
そりゃ、キライな給食を無理して食べるわけない。

 

家庭がそんなんだったら
給食指導者が
いくら頑張ってもダメ。

 

先生方は
ちゃんと本気でやっています。
野菜を栽培し
収穫させ
それを調理させ
食べさせ。

 

さて、
なぜそれなのに
不登校になるのか。

 

昔みたいに
「残さず食べなさい!
 食べ終わるまでダメです!!」
なんて感じで
周りのみんなは掃除しているのに
机ポツンと
一人だけ泣きながら
給食を食べさせられ続ける…

 

それならば
不登校になるかもしれません。

 

でも、今の学校って
そんなこと絶対にない。
あったら一瞬で
問題になります。

 

問題は別にあると思います。

 

はっきりいって
私からすれば
「給食指導のせいで子どもが不登校になりました」
と学校に行ってくる保護者って
怖いです。

 

もっと恐怖を感じているのは
その子どもだと思うのです。

 

「学校行きたくない」
という感情が出てきたときに
「そんなこと言うと親に怒られる」
「ストレートに言えない…」

 

でも、行きたくない。

 

なんて理由を考えよう。。。
先生のせいにはできない。
友達のせいにはできない。
だって、親が
先生や友達の過程に
クレームに行くから。

 

そうすると
また大変なコトになる。。。

 

何を一番理由にすれば
穏便に済むだろう。

 

そっか、給食。
給食のせいにしとこう。

 

てな感じじゃないかと
勝手に想像しています。

 

不登校は問題ではありませんが
からしたら
不登校の原因を給食のせいにする親は
その親のほうに問題があると思います。

 

炎上覚悟だな。