食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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西日本新聞 2017/03/02

昔、とった杵柄。

 

直売所について、インタビューを受け
掲載されました。

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「日本一の直売所」競合急増で危機感

飽きられない工夫次々、結婚式や披露宴も

西日本新聞 3/2(木) 10:43配信

「日本一の直売所」競合急増で危機感 飽きられない工夫次々、結婚式や披露宴も
ハウスで摘み取ったイチゴは、隣接するレストランでの結婚披露宴でケーキにトッピングされることも
 長崎県大村市弥勒寺町の直売所「おおむら夢ファーム シュシュ」は、2015年の「全国直売所甲子園」で全国制覇するなど、いまや「日本一の直売所」として知られる。だが国の手厚い支援もあって全国で直売所は急増し、競争は年々激化。淘汰(とうた)も起こりつつあり、「6次産業化の先駆け」とも称されるシュシュの危機感は強い。

 大村市北部の琴平山。果樹園が点在する山の中腹約1万5千平方メートルの敷地に、シュシュはある。敷地内のレストラン調理室ではいま、池添憲明料理長(51)が6次化商品の新作となるレトルトパック用カレーの試作に取り組んでいた。

 最大のアピールは「海上自衛隊による監修」だ。1922年、大村海軍航空隊が大村町(現大村市)に創設された。戦後も海自大村航空基地が置かれ、海軍や海自が艦上食としているカレーと大村は縁があるというわけだ。海自大村航空基地の衛生班を招いて試作を重ねており、3月の発表を目指す。

 カレーの原料には地元産の和牛やジャガイモ、ニンジン、タマネギ、果実をふんだんに使う。「大村の歴史と地元の食材をじっくり煮込んで、こくのあるカレーに仕上げたい」と山口成美(なるみ)社長(56)は意気込む。

 シュシュは96年、専業農家8戸がビニールハウスの直売所を開設したのが始まり。翌年、果実を擦り込んだジェラートを手掛けてヒット。以来、毎年3、4品種の新作を打ち出してきた。例えばジュースだけでも常に10種類以上をそろえる。

 1次産品を加工、販売する「6次産業化」の言葉が生まれたのも96年ごろ。全国直売所研究会(東京)の青木隆夫事務局長は「シュシュさんは6次産業化の草分け」と語る。加工施設、レストラン、体験施設などを次々に増やし、人気を高めるが、山口社長は危機感を口にする。「常にお客さんのニーズに応えていかないといけない」

「日本一の直売所」競合急増で危機感 飽きられない工夫次々、結婚式や披露宴も
カレーの試作品を仕込む料理長
「直売所ブーム」の背景
 直売所は全国に約2万3700カ所あり、九州は国内でも直売所が多いエリア。福岡県糸島市でJAが運営する「伊都菜彩」は年間売上高40億円を突破し、全国最大規模とされる。

 「直売所ブーム」の背景には、10年施行の「6次産業化法」がある。6次産業化に取り組む認定業者に資金を無利子で融資したり農地転用手続きを簡素化したりして国が支援する。直売所の増加がもたらしたのは、大規模化と競争激化だ。

 

 九州大大学院農学研究院の佐藤剛史助教(農業資源経済学)は「増えたのは大型の施設で、小さな直売所は淘汰が進んでいる。大規模化によって生産者と消費者の触れ合いは減り、商品の規格も進み、スーパーとの差が分かりにくくなっている」と指摘する。

 

 シュシュが意識するのも、飽きられない工夫だ。たとえば、レストランでは結婚式や披露宴も行う。果実、和牛、野菜といった食材の大半を地元農家から調達して料理を提供。出席者が敷地内のイチゴ園で摘み取ったイチゴをウエディングケーキに載せたり、新郎新婦が事前に授粉した果実を使ったジュースを振る舞ったりするサービスも行う。

 来場客は年間49万人(レジ通過分)に達し、従業員も72人。近年はアジアからのクルーズ船利用客が立ち寄る場所にもなっており、外国人対応の強化も新たな課題となっている。

 

 佐藤助教は言う。「安易にコンサルタントなどに頼らず、自分たちでリスクを負い、地元資源の魅力を商品やサービスとして打ち出せるかが生き残りの鍵になるだろう」

おおむら夢ファーム シュシュの主な受賞歴
・全国地産地消コンクール(交流促進部門)で農林水産大臣賞(2007年)
グリーンツーリズム大賞で農林水産大臣賞(2009年)
・第64回全国農業コンクールで農林水産大臣賞(2015年)
・全国直売所甲子園で最優秀賞(2015年)

 

=2017/03/02付 西日本新聞朝刊=

 

 

 

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