渡邊美樹氏のお話

昨晩は
ワタミ創業者で
参議院議員の渡邊美樹氏のお話を聞かせていただきました。

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話題は大きく3つ。
1.どうやってワタミを作り、成功させたのか。
2.なぜワタミは失速し、これからどうなるのか。
3.日本の政治、財政の現状とこれから。

1の話は著書を読んでいたので
おおよそ知っていましたが
2の「なぜワタミは失速し、これからどうなるのか」
は、個人的にとても面白かったです。

渡邊氏は、
1984年創業、それから2013年までの間に
年間売り上げ1650億、無借金経営の
ビジネスを確立しました。
2013年、参議院選の立候補に際し
ワタミの会長職を含む役職をすべて辞任。

それから2年。
ワタミ
200億を超える赤字経営に転落。

「失敗の中にこそ学ぶべきことはある」
といいます。

要点をまとめるとこう
・「外食部門」と「宅食部門」が足を引っ張った。
・飲食業は、損益分岐点を割ると一気に赤字になる。
・もともとは、350億の自己資本自己資本率35%。
・まず(介護部門の?)資産評価が変わり、バランスシートが傷んだ。
・現在100億。自己資本比率が10%を切ってしまった。
(10%を切ると銀行が「危険」評価する)
・また、外食部門の赤字の増え方が問題。
・100億の改装費をかけた。
・それでも売り上げが上がらなかった。
・それでも改装費をかけ続けた。この経営判断が失敗。
・配食部門については、26万人の顧客数は変わっていない。
・しかし、顧客は出入りがあり、一人あたり獲得する広告宣伝費が増えている。
・顧客の増加を見込み工場の設備投資したが、
 会員が増えないので、工場の稼働率が上がらず、減価償却がうまくいかない。

「負けるのには理由がある」
と言います。

その原因はどこにあるのか。
渡邊氏が経営に携わっていたときは
(本人曰く、モーレツ・ワンマン・経営)
厳格な数値目標を設定していたそうです。

しかし、会社を離れる際に、
「大丈夫だ。
 基盤はできている。
 今までどおり、しっかりやればいい。
 がんばれ。
 たくさんのありがとうを集めよう。
 数字は後からついてくる」
と言い残して、会社を後にしたそうです。

そうすると、
ワタミから数値目標がなくなりました。

経営者も社員も安心してしまいました。
どん欲じゃなくなりました。
1円の大切さがなくなりました。

創業時は、
「水、おしぼりを無駄にするな」
を徹底し、
そういう文化を創り上げました。

しかし、現在、
入ってくる社員は
一部上場企業の社員として。
1円の大切さがなくなりました。

経営者は常に危機感が必要だと言います。

ある食品問屋さんは、
食品スーパー5000社と取引があるそうです。
その社長さんが気がつきました。
5000社の中でも
伸びるスーパー(会社)と
伸びないスーパー(会社)がある。

ちなみにスーパーという業種は
チェーンストア理論が完成されていて
戦力の差はそれほど生まれないそうです。

社長さんは社員さんと
伸びるスーパー(会社)と
伸びないスーパー(会社)との
差の分析を行ったそうです。

その分析から明らかとなった
伸びるスーパー(会社)と
伸びないスーパー(会社)とを見極める
3つのポイント。

①共通の数字目標を答えられるかどうか。
②社員の仲がいいかどうか。一番悪いのは派閥。最悪は兄弟。
③「明るい」「元気がいい」などの共通の社風があるかどうか。

ワタミ
社員の仲もいいし、
社風もいいそうです。

ただ無くなったのが
数字目標。
「人間は数字に反応する動物」
だそうです。

ある病院は
血圧の数値目標を患者さんに提示するのですが
そうすると実際に下がるのだそうです(笑)

「人間は数字に反応する動物」。

数年後
「なぜワタミは回復することができたのか」
というテーマで話ができるようにしたい
とのこと。

3の「日本の政治、財政の現状とこれから」
も非常に勉強になりました。

たくさん話題を頂きましたが
一つだけ紹介しましょう。

経営者が政治の世界に入り込んで
不思議に思ったこと。

経営の世界では
予算よりも決算が大事なのに
政治の世界では決算が無く(形だけ)
次の予算獲得ばかり考えている。
人の金なので
1円の大切さがない、とのこと。

なるほど。

渡邊氏の話を聞き
日本の財政破綻(デフォルト)の危機を
よりいっそう強く認識させられました。

おとちゃん、とらちゃん世代に
借金は残したくありません。
残せません。

安保ばかりに目がいきがちですが
財政や社会保障(医療、年金、介護、等々)も
しっかり考えなければ。

政治家も国民も
実を切る、痛みを伴う改革が必要で
そういう政策を提示できる政治家を
選挙で選ばなければ。

今までのように
自分の既得権益を守ってくれる政治家を選んでいたら
今の構造は何も変わらず
みんなで手をつないで
目をつぶって
仲良く破綻の先へ突き進むことになります。

先日は、NSGグループ池田弘氏の話を聞き
「地方創生は企業の力だ!」
なんて熱くなっていましたが
「やっぱり政治重要!!」
なんて熱くなりながら
バランスとっています。

勉強になりました。