食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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「ご飯一杯の値段」ポスター

阿蘇の大津ERIさんが、
このポスターを見つけて
FBでupしてくれて
このポスターが再び注目を集めつつある。 

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私がこのポスターを作ったのが
2009年。

 

大学生が
「お金ない~」
なんて言いながら
缶コーヒーをガブガブ飲んでいるのを見て
「はぁ~~~、、、」
と思ったからだ。

 

この前の講演でも
ある参加者がこんなことを言っていた。
「野菜が高いから、有機米は高いから
 なかなか、、、」


家計調査。
家庭での菓子の消費状況をでみてみると、
1ヶ月で4,178円、
1年間で約5万円の支出である。
一方、米の消費状況は、1世帯当たり1年間で2万7777円。

 

いい?

主食にこんなに金をかけない国なんてないんだよ。
主食よりもお菓子の方に
いっぱいお金を使っているなんて
どう考えてもおかしい。

 

このポスターを作っていたとき
年越し派遣村が話題になっていた。
同時のブログにこんなことを書いている。

 

今年も、
年越し派遣村の話題がニュースを賑わせた。
給付された2万円で酒を飲んでいたという。

給付された2万円で
120円のジュースを買うのはOKで
110円の発泡酒や第3のビールを買うのはNGなのか。

国民感情として
「なに!?血税でアルコールを!!」
というのも分からなくはないが
同じように
「なに!?血税でポテトチップスを!!」
「なに!?血税で缶コーヒーを!!」
「なに!?血税でコンビニのおにぎりを…」
と思うべきだ。

だってポテトチップスも
缶コーヒーも
コンビニおにぎりも
高いのだ。

そう考えれば、
2万円支給するなら、
1万円分は交通費とかにして
1万円分は国産米を支給したほうがいい。

ちなみに1万円分の米とは
5kg、2000円の米で、25kg。
日本人の米の消費量が1年で60kgだから
半年弱は持つ。
米だけ腹一杯食いまくっても1ヶ月は絶対に持つ。
その間、安心して就職活動。
どう?

ところで、、、

2万円で酒を飲んでいたという話題が多かったが
「仕事をして今の生活を抜け出したい」
という派遣村の人々の声も
ニュースで流れた。

仕事をしたいのに働く場所がない。

怖いことだなぁ
と思った。

そうして思い出したのは
リカードの比較生産費説である。
簡単に言えば
「分業した方が経済効率はいいですよ」
という考え方だ。

今の社会は徹底的な分業によって成立している。

しかし、それは
自分の人生を自分でコントロールできなくなる
ということなのかもしれない。

実際、
働きたくても働けない
食っていきたいけど食えない
のだ。

実は、仕事だけでなく
生活も分業が進んでいる。
分業というか
アウトソーシングだ。

炊事を
コンビニに任せる
ファミレスに任せる
ほか弁に任せる
ファーストフードに任せる
という具合だ。

そりゃぁ、炊事する時間があれば
その時間に仕事して
そうして得た給料で
コンビニ弁当を買った方が経済的には効率がいい。

しかし、である。

この瞬間に
コンビニ
ファミレス
ほか弁
ファーストフード
等々が、すべて無くなったとする。

そうすると
本当に食べれない人が続出するだろう。

分業は、
自分の人生を
自分の生活を
自分の命を
自分でコントロールできなくなる
ということなのだ。

だから、自分で弁当を作れるくらいの力は
身につけておいた方がいい。

弁当力とは
自分の人生をコントロールする力
なのだ。