食育研究家。九州大学講師/糸島市行政区長/1973年、大分県生まれ。農学博士。/年間の講演回数は100回を超え、大人向け学びの場である「大人塾」「ママ塾」「mamalink塾」等も主宰/主な著書に『いのちをいただく』『すごい弁当力!』『食卓の力』など、いずれもベストセラー/新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数


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26年前の大学1年生

4/2(月)、朝一で
ある大学で新入生対象の特別講演会。

 

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テーマは
(生協のミールカード活用のための)『食育』
でしたが
冒頭にこんなお話をしました。

 

私が、大学1年生として
そちら側の席に座っていたのは
26年前です。

皆さんと同じように
4年間の大学生活に
ワクワクドキドキしていました。

 

でも、当時と
今は、全く与えられている環境、可能性が違います。

 

隣にいる学生さんと比べれば
それは
26年前も
現在も同じです。

 

でも、絶対的な可能性が違います。

 

26年前は
SNSがありませんでした。
メールもありませんでした。
パソコンがありませんでした。
インターネットもありませんでした。

正確にはあったと思いますが
大学1年生がそれを使えるほど
普及していませんでした。

当然、スマホもありませんでした。
デジカメもありませんでした。
クラウドファンディングもありませんでした。

 

皆さんからすれば
「どうやって生活していたのだろう?」
と思ってしまうほどでしょう。

「そんな環境だったら何もできないじゃん」
と思ってしまうほどでしょう。

 

そう、皆さんは
何でもできるのです。
その環境と可能性が与えられています。

 

例えば、
イベントを一つやるにしても
チラシを手書きして
(まぁ、持っている人は『書院』とか『文豪』とか
 ワードプロセッサで作成して)
それを白黒コピーして
掲示板に張ったりで限界。
当然、お客さんは集まりません。

今じゃ、
クラファンやって資金調達して
ネット印刷サイトにアクセスして
フォーマットに入力して
格安でカラー印刷して
facebookでイベントページ立ち上げ
twitterで拡散して
参加者管理のために申し込みフォーム作って
当日の様子は
写真にとってblogにupし
動画に収めてyoutubeにupし…

…それが広告収入を生み出し、、、

 

と、何でもできます。

 

ただし、重要なのは
その可能性は「やる」人間にしか
与えられていないということです。

「やらない」人間には
可能性は可能性の意味を持ちません。

 

さらに重要なのは
それだけの環境と可能性が整えば
「差」が広がるということです。

 

産業を考えればわかりやすいのですが
農業とか漁業とか第1次産業の場合、
できる人とできない人との間に、
2倍の差は生まれません。
同じ時間で2倍耕すとか
同じ土地で2倍収穫をするとか
できないからです。

 

でも、工業、第2次産業
サービス業、第3次産業
となると差は拡大していきます。

さらに情報産業、IT産業となると
さらに差は拡大します。

 

分かりやすい例でいえば
アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏の資産は11兆円。

ものすごい差です。

 

でも、やる人間には
その可能性が与えられているということです。

 

正直、44歳の私からすれば
皆さんが羨ましい。

 

もし、自分が18歳で
これから大学4年をスタートさせようとしているのであれば
もう、あれもこれも
何でもするはずです。

「大学生だからできない」
とか
「まだ子どもだから」
とか関係ありません。

 

大学生でもできます。
イベントだって、
起業だって
本の出版だって
お金を稼ぐことだって
社会的知名度を手に入れることだって
何でもできます。

 

「大学生だからできない」
じゃなく、
やればむしろ
「大学生なのにスゴイね」
ってなります。

 

人生はやるかやらないか。
昔はやろうと思っても
いろんな制約要因が多すぎました。
実際にはできないこともありました。

今は
やる気と工夫と行動力で
何でもできます。

その環境と可能性は与えられています。

 

やる人生を。

すばらしい大学4年間を。

「結婚アテンダント」養成講座

もうお約束。
5:00に家を出て
6:00前に福岡空港着。
朝一番の便に乗り、8:40に羽田着。
9:30に新宿着。

 

「結婚アテンダント」養成講座
スタンダードコース。

 

2日間で10時間という
受講者にとってもハードだけど
講師はもっとハードなセミナー。

でも、受講した人だけがわかる
超充実のセミナー。

 

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加えて
懇親会の場でも
しゃべり続けるという(笑)

とらじろう、「菜の花の天ぷらが食べたい」と言う。

29日夜は、ヨメさんが仕事で
パパが夕食係。

 

とらじろうが
「菜の花の天ぷらが食べたい」
と渋すぎるリクエストをしてきたので
リクエストに応え
天ぷら祭り。


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子どもたちが大好きな
芋の天ぷら
ニンジンの天ぷら
それから
菜の花にコーンと竹輪のかき揚げ。

 

そして大分名物、鳥の天ぷら。
(写真には写っていませんが)

 

とらじろう、大満足。

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第1回被災のリアルを知り防災を考える会

3/29(木)の午前は
あいくるで『第1回被災のリアルを知り防災を考える会』。

 

講師は、15年来の仲間、小森耕太君。

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久しぶりに一緒にセミナーできるということで
個人的にも楽しみにしてました。

参加者は少なかったのですが
本当に面白かったし、勉強になりました。

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印象に残った点をいくつか紹介します。

 

『トラウマとまでは言わないけれど』

八女を襲った九州北部豪雨が起きたのは2012年7月。
もう5年半が経ちます。
小森君は人前でお話しする機会も多いのですが
テーマは「復興」が多く、その話は明るく楽しい。
しかし、「災害そのもの」の話は、苦しい。
pptからも、その写真はドンドンげずって
少なくなっていきました。
今回のために、改めて写真を追加していたら
どんよりした気分になって
胸が苦しくなった。

 

それは、お子さんや奥様もそうで
今でも、大雨は怖いようで
大雨情報が発令されると
ソワソワしはじめます。
すぐに避難所に逃げてくるお年寄りもいます。
水害前は、一切そんなことありませんでした。
それくらい、地域住民の脳裏に深く刻まれています。

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『子どもがほったらかしになった』

参加者にまず、問題意識を聞くと
「どうやって子どもを守るか?」

それを受けて、小森君。
子ども、家庭はほったらかしになってました。
今となれば、反省しています。
当時は、
消防団としての仕事
NPO法人山村塾としての仕事
ボランティアの受け入れ
避難所の運営…
本当に忙しく
家は、水も電気もずっととまっているのに
そんな家に、子ども、家庭、
ほったらかしになっていました。

正義感が強いと
こういう災害時に張り切る人が多い。
家庭とか誰かが、
そして自分にも負担がかかる。

 

『山村塾とは』
小森君が属する「山村塾」というNPO法人
都市農村交流、棚田・里山保全を目的としています。
主体は、農家中心。
年間を通じて棚田での米作り、山の手入れを行っています。
家族での参加が多く、
大きな家族のイメージ。

こうした
生産者と消費者とのつながり
農村部と都市部とのつながり
さらには
以前から
被災地同士のつながりがありました。
それがよかった。
被災して痛感しました。

 


『日本初、史上初?』

山村塾は、ずっと以前から
「国際里山ワーキングホリデー」
をやっていて
年間を通じた合宿型のボランティアの受け入れ
里山保全活動を行っていました。

豪雨当日も
3人のボランティアが
山村塾の事務所のある「えがおの森」に滞在していました。
うち、2人が外国人。
で、豪雨でみんな避難してきた。
すでにボランティアはいます(笑)
当然、ボランティアの拠点ですから
布団、食料がありました。

普通は、災害が起き、避難し
そこにボランティアが駆け付けるという流れですが
ボランティアがいるところに避難してくるという
日本初、史上初の展開だったかもしれません。

 

本当によかったのが
言葉の通じないボランティアがいたこと。
緩衝材になります。
子どもたちの相手ができます。
他の避難所では
ストレスのせいで
日頃の人間関係が露になり
荒れた避難所もあったそう。

 


『当日』
実は、雨は1週間前から降り続いていて
家の中に水が入ってきた
という知らせを受けて
消防団で巡回をしていました。

一旦、小康状態になり
安心していたら
当日の朝、1回目のピークの雨。
危険を感じ「えがおの森」に避難。

一回目の雨のピークが終わり
消防団で、集落に避難を呼びかけ
道路が川のようになって
車もつかえないので
非難が遅れた高齢者を
背負って避難。

 

その様子はコチラ↓

 

yumekasahara.jp


『けっこう快適、でも…』

避難所の「えがおの森」には
100人の避難者が集まりました。
とはいえ、もともと小学校。
体育館もあるし
各教室もあるし
ボランティアが泊まれるように
畳も敷いていたので
快適に過ごすことができました。
「旅館に来たみたい」
と言っているお年寄りもいました。

電気、水道は止まったけど
携帯は使えたので
安心していたら
しばらくすると
携帯もつかえなくなりました。
基地局のバッテリーがなくなってしまったらしいのです。


『ピークが過ぎ…』

豪雨のピークが過ぎ
翌日から、現状確認。
言葉を失う。
生活できない…農業できない…
という思いがわいてきます。

それよりも道路。
約20kmある、川沿いの主要道が
10か所寸断。
消防団で山道に入り迂回路を探しますが
道路が土砂と水で覆われ
まるでシャワークライミングをしているかのよう。


『農家の力』

行政の支援を待っていては
どれだけ時間がかかるか分からないことが分かり
自分たちでどうにかしようと
各自、重機、チェーンソー等々を持ち寄り
道路の迂回路づくりを開始。

発電機を持ってきて
井戸から水をくみ上げたり
山水を使って
生活用水にしたり
五右衛門風呂がある家で
お風呂を沸かして
女性と子供がもらい湯に行ったり。
本当に農家はたくましいと思いました。

 

『ご飯のこと』

3日目から迂回路を軽トラが通って
弁当が届くようになりました。
唐揚げ弁当などです。
すぐ食べることのできる
お菓子も大量に届きました。

でも、おばあちゃんは
その弁当を1日で食べれなくなりました。
お菓子を食べたのも
最初の1回だけ。

おばあちゃんがご飯を食べなくなったのを
目の当たりにし
そこで行政に無理を言って
お弁当ではなく
食材を届けてもらうようにしました。
ただし、コメはいらない。
コメはある。

食材が届き
料理当番を決めました。
そうしたら当番関係なく
おばあちゃんが
みんな調理室にいて
何かつくってる(笑)。

 

男衆はずっと重機を動かして
なんかやっているだけど
おばあちゃんたちは
できることがなくて
でも、「料理」で急に輝き始めました。

 

しかも、それまでは
勝手にお弁当を取って
一人で好きな場所で
好きな時間に食べていたのに
料理が始まって
みんな、同じ時間に
食堂に集まって一緒に食べるようになりました。
会話が生まれました。
料理によって
生活が取り戻せた、
そう感じた瞬間でした。

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『ボランティアのこと』

5日目に携帯が使えるようになり
FBでボランティア募集を呼びかけました。

行政のボランティアは
社会福祉協議会
その運営を担っていたのですが
八女市中心部や柳川の対応で
いっぱいいっぱいで、山村部に目も手も向いていない。
ということで
自分たちでやろう。

 

初日で、20名が集まり
中学生、高校生も多数参加してくれて
本当に地元の方に喜ばれました。

 

そして
山村塾は住居という生活復旧だけではなく
農地復旧も行いました。
農村にとっては農地は
生活だからです。

 


そして…

 

まだまだ
書いていないことは
たくさんあります。

是非、実際に小森君のお話を
聞いてほしいと思います。

 

今回は、集客に苦労し
正直、赤字だったけど
これをやりたいと決断した黒屋さんに感謝です。

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「会議をクリエイティブにする」ための会議

28(水)夜は北九州大人塾。

第2期最後。

テーマは「会議の力-ファシリテーション-」。

 

鉄板のプログラムがあるのだけれど
北九州はアドリブが盛り上がるので
実際に、模擬会議をやってみることにしました。

 

会議のテーマは
「会議をクリエイティブにする方法」。
まるでヘビが自分の尻尾を食べているような感じです。

 

 

まず、最初はアイスブレイク

簡単な自己紹介と
「どんな内容を、どんなことに気をつけて話し合えばよいか」
を発言してもらいました。

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その結果。

  • 「こんな会議はイヤだ」を共有する。
  • 食べ物を出す。
  • 必ず発言。
  • 発言をよく聞く。
  • 一人一回発言。
  • 小物を使う。
  • グループサイズを変える。
  • 見える化する。
  • 否定しない。
  • 発言者をよく見る。

ということで、まず、
「食べ物を出す」
という工夫を実現するために
アメを買って来てもらいました(笑)。

 

さらに、これら発言に基づいて
「会議の3つルール」
を設定しました。

  1. 積極的に。貢献する。
  2. よく聞く。よく見る。
  3. (頭から)否定しない。

そしてまず、
「こんな会議はイヤだ」
を隣の人と3分、意見交換してもらいました。

 

これは
いきなり全員の前では
発言しづらいので
まず、少人数で気楽に話してみる。

そして、その話したことであれば
考えがまとまっているので
みんなの前で発表できる。

という意味があります。
これが会議における
「グループサイズを変える」。

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それを
ホワイトボードに
ファシリテーショングラフィックしました。
見える化」です。

 

ファシリテーショングラフィックの意味は

  1.  話し合いの流れを分かりやすくする。
  2. 話し合いの成果について共有の記録がもてる。
  3. 自分の意見が全員に伝わったという確認ができる。
  4. 話し合いや発想を刺激し、活性化する。
  5. 感情的な論争を避けることができる。

 等々。

 

今回は、即興で

・参加者の問題
・主催者の問題
ファシリテーターの問題
・会議の設定の問題

にグルーピングしながら
書き出しました。

 

参加者の皆さんは
「なぜそんなまとめ方がアドリブでできるのだろう?」
と、相当に不思議がっていましたが
議論の内容をある程度予測すれば
フレームを考えておくことができます。

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次に、「それを解決するためのアイデア」を
ポストイットに書き出してもらいました。

それを分類。

 

本当はマトリックスを用いて
整理しようと思っていたのですが
一つ一つの意見が
的を射すぎていて
整理する必要はなく
模擬会議、終了。

 

その後、pptを用いて
ファシリテーションの極意を
紹介するとともに
先ほどの模擬会議の事例における
ファシリテーター
やったこと、意識していたことを
細かく解説していきました。

 

我ながら
非常に面白かったです。


大人塾の鉄板コンテンツにしていいレベルでした。